◆学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝(2日、名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 青学大の5区を走り、4年目にして大学駅伝デビューを果たした佐藤有一(4年)の左腕には「星七の分まで」と書き込まれていた。7区で区間新をたたき出したエース・黒田朝日の右腕には「☆7」のマークがあった。

 今年2月19日に悪性リンパ腫のため、21歳で亡くなった同期のチームメートの皆渡星七(みなわたり・せな)さんへの思いが込められていた。「腕時計を見るたび『星七』を思い出して頑張れました」と区間4位と踏ん張った佐藤は静かに話した。

 わずか1年前…。皆渡さんは昨年の全日本ではレベルの高い青学大において16人の登録メンバーに名を連ねていた。しかし、その直後、体調不良を訴え、闘病生活に入った。

 原監督は今年の箱根駅伝直前、昨年末のチームミーティングに皆渡さんがリモートで参加していたことを明かした。皆渡さんは「走れることは当たり前ではありません。箱根駅伝、頑張ってください」とチームメートを励ましたという。「みんなで皆渡を励まさなければいけないのに、みんなが皆渡に励まされた」と原監督は言う。今も皆渡さんはチームメートを励まし続けている。(竹内 達朗)

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