◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者・ノニト・ドネア ▽WBA・WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・高見亨介―WBO王者・レネ・サンティアゴ(12月17日、東京・両国国技館)

 プロボクシングのダブル世界戦が12月17日、東京・両国国技館で行われることが6日、発表された。WBAバンタム級正規王者の堤聖也は、世界5階級を制した同級暫定王者のノニト・ドネア(フィリピン)と対戦。

将来の他団体王者との統一戦や、同級転向を表明した4階級制覇王者・井岡一翔(36)=志成=との対戦にも意欲を見せた。

 5階級制覇の生ける伝説を踏み台に、ビッグマッチへと駆け上がる。赤いレザージャケットで会見した堤は「誰もが知るレジェンドと戦えることは光栄。衰えはあると思うがドネアはドネア。偉大なチャンピオンに勝って、自分に自信をつけたい」と決意を口にした。

 今年2月に比嘉大吾(志成)と引き分けて初防衛に成功したが、直後に目の手術を受けた影響で休養王者となった。復帰戦は当初、正規王者アントニオ・バルガス(米国)が相手となる予定だった。しかしバルガスが母親の死去により対戦を辞退し休養王者となり、堤が正規王者に返り咲いた。

 試合まで2か月を切った先月下旬の練習中、相手がドネアに変更となったことを知らされた。「動揺もあった。『本当にドネアと?』と興奮して浮足立つ感じだった」という。ドネアは16日に43歳となるが「今のドネアに負けることは許されない反面、怖いなという気持ちもある。

世間が思う以上にハードな試合になる」と気を引き締めた。

 ドネア戦の先に、他団体王者との統一戦を見据える。24日にWBC同級王座決定戦で那須川天心(帝拳)と井上拓真(大橋)が対戦する。堤は「私情も入っているがボクシングの幅がまだ違う」と拓真有利と予想。「彼がWBCのベルトを持っちゃったら『やるしかねぇ』って感じですよね」。昨年10月に判定で下して世界王座を奪取したアマ時代からのライバル・拓真との再戦にも覚悟を決めた。

 さらには5階級制覇を目指す日本のレジェンド・井岡との対戦も切望。「人間として憧れる人。大きい舞台で戦えたらと思うとワクワクする」と目を輝かせた。「ドネア戦をクリアすることで、どんどん面白い人生が待っている。本当に勝ちたい」。自らの拳で、夢への扉をこじ開けていく。

(勝田 成紀)

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