日本サッカー協会は6日、年内最後の活動となる国際親善試合・ガーナ戦(14日・豊田ス)、ボリビア戦(18日・国立)のメンバー26人を発表した。本紙既報通り、オーストリア1部ザルツブルクのFW北野颯太(21)、ベルギー1部シントトロイデンのFW後藤啓介(20)、同GK小久保玲央ブライアン(24)を初招集。

26年北中米W杯でも採用されるとみられる26人枠の“最適解”を求め、森保一監督(57)が世界一を目指して伸び盛りの新たな才能をテストする。

 多士済々の森保ジャパンに、またも新顔が加わった。21歳FW北野、20歳FW後藤の初招集理由を問われた森保監督は「(欧州で)確実に成長を感じさせてもらっています。攻撃のトップ、2列目の選手は既に世界基準のいい選手がいますが、彼らも割って入れる。W杯に向けて、その後も日本の戦力になってくれるという期待も込めて招集させていただきました」と説明した。

 北野は香川、南野らを輩出したC大阪出身の技術力あるアタッカーで、今季J1開幕から4ゴールと結果を残し、6月にはザルツブルクへ。オーストリアでも適応し、リーグ戦10試合4得点。ここ2試合は連続ゴールと絶好調だ。その逸材について、指揮官は「アグレッシブに攻守に関わっていく。ここ数試合は得点チャンスに絡む、決めるところでも欧州で自信を深めている」と高評価。森保ジャパンではシャドー(1トップ後方)での起用が予想される。

 後藤は森保ジャパンのFW陣では最長身となる191センチのストライカー。

磐田から23年11月にベルギーの名門アンデルレヒトへ。今季期限付き移籍したシントトロイデンで定位置をつかみ、リーグ戦11試合3得点を挙げている。「試合の流れ全般に関わる運動量が多い。攻守に関わって、最後に点が取れるのが彼のいいところ」と森保監督。1トップを務めるエース格の上田らとは違う特長を出せるかが生き残りの鍵だ。後藤はクラブを通して「物おじせずにいろんな選手とコミュニケーションを取りながら、他の選手が積み上げてきたものを早く理解できるようにしていきたい。ゴールという目に見える結果を残したい」とコメントした。

 世界一を目指す北中米W杯へ、新たな武器が加わるのか。森保監督は若き才能について、会見中に2度「今後の期待を込めて」という言葉を使った。若手の急成長は、歴史的勝利を挙げた10月のブラジル戦(3〇2)で躍動した22歳DF鈴木淳らも示してきた。W杯出場権を獲得しているガーナ、大陸間プレーオフに回っているボリビアをホームで迎え撃つ25年最後の2連戦が重要なテストになる。(金川 誉)

 〇…昨夏のパリ五輪で8強進出に貢献したGK小久保も、今回A代表に初選出された。

ナイジェリア人の父、日本人の母を持つ身長193センチの大型GKはシュートセーブ能力が高く、所属するシントトロイデンでは今季全13試合に先発し、4位と好調のチームを支えている。クラブを通して、「本当に驚きました。初招集なので、まずはチームをしっかりサポートして、後ろから貢献できるように頑張りたい」と意気込んだ。

 ◆長友ら外れる

 日本サッカー協会は6日、都内で日本代表のメンバー26人を発表した。10月の活動からは天皇杯準決勝(16日)を控えるDF長友佑都(FC東京)、MF相馬勇紀、望月ヘンリー海輝(ともに町田)、GK大迫敬介(広島)を含め、けがのMF伊東純也(ゲンク)らが外れた。けがのMF三笘薫(ブライトン)も連続で選外。森保監督はチームの精神的支柱である39歳・長友の不在について「誰か一人が欠けたからということではなく、全ての選手がリーダーシップを発揮してもらういい機会」と捉えた。

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