◆第104回全国高校サッカー選手権静岡県大会▽準決勝 藤枝東1―1(PK5―3)静岡学園(8日、草薙陸上競技場)

 第104回全国高校サッカー選手権静岡県大会準決勝が行われ、浜松開誠館と藤枝東がファイナルに進んだ。開誠館は後半4分にDF水谷健斗(3年)がミドルシュートを決めて先制。

さらに1点を加え、磐田東を2―0で下した。藤枝東は3連覇を目指す静岡学園と対戦。1―0の後半終了間際に同点ゴールを許したが、PK戦でV候補を倒した。開誠館の3年ぶりか、藤枝東の10年ぶりか、決勝戦は15日にIAIスタジアム日本平で行われる。

 そっぽを向きかけたサッカーの神様をもう一度振り向かせた。藤枝東は後半アディショナルタイムにCKから同点を許すも、10分ハーフの延長戦は静学をシュート1本に封じPK戦に持ち込んだ。3本目に相手がミス。最後はGK宮崎真心(3年)が自ら放り込んで5―3とし、死闘にケリをつけた。DF井上凱晴主将(3年)は「(同点にされても)下を向くことなくやるべきことをやろうと言ってきた」と2年ぶりのファイナル進出に胸を張った。

 焦らず我慢を重ねた。序盤からスライドを繰り返し組織的守備で対抗。球際でもバチバチの攻防を繰り広げ、前半の被シュートを1本に抑えた。

同39分、MF望月瑠斗(2年)の左CKがそのままネットに吸い込まれる“ラッキーパンチ”で先制。「練習でも直接狙う形はやっていた」と今大会1号で勢いをもたらした。

 後半途中からは足をつる選手が続出し、押し込まれる時間が続いたがゴールだけは割らせなかった。「疲労は普段の2、3倍。でも最後まで足を止めるなと言い続けた」と井上主将。就任1年目の植松弘樹監督(42)も「気持ちを切らさなかった」と拍手した。今週のミーティングでは中を締め、サイドでボールを奪いきる方針を確認。井上が「(静学が所属する)プレミアのレベルになるよう(攻守の)切り替えも意識してきた」と話したように、泥くさく100分間走り切って全国区の名門を退けた。

 10年ぶりの優勝が懸かる決勝は県総体と同じ開誠館が相手となる。夏は一歩及ばず0―1。藤色イレブンは「リベンジします」と声をそろえた。

(武藤 瑞基)

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