バレーボール 全日本高校選手権 静岡県大会 男子決勝 静清3―2浜松修学舎(8日・静岡市北部体育館)

 男子は静清が浜松修学舎をフルセットの末に破り、7年ぶり4度目の優勝を果たした。エースの鈴木夢優(ゆひろ、3年)が両チーム最多29得点を挙げ、今年度限りで勇退することを決めている山内健至総監督(53)の思いに応えた。

女子は富士見が三島南をストレートで下し、13年連続18度目の栄冠に輝いた。ともに来年1月5日に開幕する全日本高校選手権(春高バレー、東京体育館)に出場する。

 相手スパイクがアウトとなり、静清が歓喜の瞬間を迎えた。昨年の県総体から4連敗を喫していた浜松修学舎に雪辱を果たし、恩師に最高の贈り物を届けた。鈴木は「本当にうれしい」と感無量。セットカウント1―2で迎えた第4セット終盤。力強いアタックで4得点を重ねる執念を見せて流れを呼び込み、フルセットの末に栄冠をつかんだ。

 山内総監督と共に春高バレーの舞台へ。「少しでも長く自分たちのプレー姿を見せるのが、恩返しだと思っているので、まずスタートラインに立つことができた」とU―19日本代表アウトサイドヒッターの鈴木は胸を張った。「鈴木が頑張れば負けないよと言い続けてきた。きょうは、頑張りましたね」と総監督は目を細めた。

 2014年から監督を務めてきた山内氏は今年、教え子にその座を譲り、今年度で総監督の退任を決意した。

後を継ぐ高橋涼監督(24)は、静清で春高バレー3年連続出場を果たしたセッターで、Vリーグ三重でもプレー。「セッター視点に期待していた。そのあたりの戦術は自分よりも長けている」と采配に期待を寄せる。

 鈴木は全国舞台に向け、第5セットでは味方の助けもありながら戦ったことを踏まえ、「自分が引っ張って勝ち進んでいきたい」と燃えていた。(伊藤 明日香)

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