ウエスタン・リーグくふうハヤテの松本陣内野手(19)は、地元・知徳高から今季、チームに加入した。10日、しずおか報知の取材に応じ、地元球団で過ごした1年間を「大学生活では味わえないような経験ができました」と振り返り、充実のシーズンを語った。

 今季は代打など途中起用で29試合に出場。序盤は「打席で手も足も出ない状態」と苦戦したが後半になるにつれて慣れ、凡退でも打球の質が向上したと実感。10月のフェニックス・リーグでは5、6回からの途中出場だけでなく、スタメン起用も増加。斗山ベアーズ戦で入団後初本塁打を放つなど、成果を残した。加入当初は先輩から「スイングを強くしろ」という基本的なアドバイスが多かったが、現在は打席での球の待ち方など細かな指導を受けるようになり、成長を実感している。

 高校とプロ生活の違いについては、野球に費やす時間の増加が大きい。シーズン中は試合前の練習や、試合後も先輩と一緒に寮で練習に励んだ。高校時代を振り返り「ティー打撃が100本あったとしたら、最後の時に全力を出せるように無意識に途中で力を調節していた」と語る。しかしプロでは「目の前の一球にがむしゃらに取り組んで、残りの20球は無我夢中」と語り、取り組み方の変化を感じていた。

 体作りに関しては、1月のキャンプ時に77キロから83キロまで増量。筋トレに注力し、食事面に関しても近隣施設のバイキング形式の朝食や、夜は実家の母が作った作り置きのおかずを補食にして、調整しているという。

 高校時代は主将を務め、正三塁手として活躍。

大学進学の選択肢もあったが、プロ入りの夢を選んだ。今年も高校最後の夏を共に戦った広島・小船翼投手との再会が刺激となった。6月に1打席のみ対戦。中飛に抑えられ「高校でもそうでしたが、負けてはいられないですね」と奮い立つ、いいきっかけとなった。

 来季の目標については「スタメンで出続けること。数字はまだ意識していませんが、試合に出ることで(NPB12球団への)アピールにつながると思うので、レギュラーをつかみたい」と語る。くふうハヤテでは夏頃から二遊間を守るようになり、起用の幅も広げている。地元球団ということもあり、ファンから声をかけられることも多い。「高校時代から応援していますと言われたのはうれしかったです。応援してくれる人のためにも頑張らないとと思います」と、熱く決意を語った。(伊藤 明日香)

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