大相撲 九州場所2日目(10日・福岡国際センター)

 新関脇・安青錦が西前頭2枚目・若元春を寄り倒し、初日から2連勝とした。新入幕から5場所目で無傷の2連勝は初めて。

ウクライナ出身の新鋭が、大関昇進の足固め&自己最多12勝以上を狙う今場所を幸先良く滑り出した。

 体が起きないのが安青錦の最大の武器と言える。右から突き放して若元春に左からすくわれ、左四つになりかけても右の前まわしを取って低い体勢を作った。右から引き付けて若元春の動きを止めると、最後は相撲巧者に何の仕事もさせないで一気に寄り倒した。

 場所ごとに力を付けている。強くなっているのも確かだ。一つだけ注文を付けるならば、低い体勢から無双を切ったこと。体勢を脅かすためなら理解できる。勝負を決めてやろうと思うと墓穴を掘ってしまう。

 今場所は三段跳びならホップをクリアしてのステップの場所。序盤の雰囲気からして、崩れる景色は見えないので、場所を12勝か13勝で乗り切れば、ジャンプを飛び越えて大関という声もかかる。しかし、無双のような小手先に走ると、“ホップ・ステップ・肉離れ”という最悪のケースもあり得る。

前に出ることだけを心がけてほしい。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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