映画賞レースのトップを飾る第50回報知映画賞のノミネートが10日、決まった。吉沢亮(31)が女形の歌舞伎俳優を演じ、実写邦画歴代2位となる興収166億円超の大ヒットを記録した「国宝」(李相日監督)が最多の6部門8ノミネート。

「爆弾」(永井聡監督)が5部門6ノミネート、「港のひかり」(藤井道人監督)、「栄光のバックホーム」(秋山純監督)、「ナイトフラワー」(内田英治監督)が5部門5ノミネートで続く。選考委員会で審査が行われ、今月下旬以降に結果を発表する。

 6月6日の封切り以来、国内はもちろん、50以上の国と地域で公開されて世界的な旋風を巻き起こす「国宝」が最多ノミネート。実写邦画トップの「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(173・5億円)に迫る勢いを感じさせた。

 吉田修一氏の同名小説を映画化。吉沢演じる喜久雄が任侠(にんきょう)の家に生まれながら歌舞伎俳優・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られ、女形として芸に生涯をささげる物語だ。李監督は「喜久雄を演じられるのは彼(吉沢)しかいないと思った。外見の美しさはもちろん、俳優以外の人格が考えられないところに魅力を感じた。それが喜久雄と重なったんですよね」と語る。まさに「吉沢ありき」で成立した映画だった。

 作品賞、監督賞(李監督)、主演男優賞(吉沢)が順当にノミネート。喜久雄のライバル・俊介役の横浜流星(29)、半二郎役の渡辺、人間国宝・小野川万菊役の田中泯(80)の3人が助演男優賞候補に。

さらに半二郎の妻を演じた寺島しのぶ(52)が助演女優賞、喜久雄の少年時代を演じた黒川想矢(15)が新人賞にノミネートされた。

 「爆弾」は警察署の取調室で意味深な供述を繰り返す容疑者を怪演した佐藤二朗(56)の助演男優賞を筆頭に、刑事役の山田裕貴(35)が主演男優賞、渡部篤郎(57)が助演男優賞にノミネートされ、「国宝」に真っ向勝負を挑む。「港のひかり」は元ヤクザの漁師役を務める舘ひろし(75)が男の哀愁を感じさせ、2023年に28歳で死去した元阪神・横田慎太郎さんの生涯を描いた「栄光のバックホーム」は感動を誘う。「ナイトフラワー」は薬物の売人を演じる北川景子(39)、森田望智(29)の熱演が光る。

 50回の節目となる報知映画賞。「国宝」が順当に最多受賞となるのか。

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