8日に肺炎のため92歳で死去した仲代達矢(なかだい・たつや、本名仲代元久=なかだい・もとひさ)さんが主宰した「無名塾」出身で、仲代さんの教えを受けた女優の若村麻由美が11日、所属事務所を通じて追悼のコメントを発表した。

 若村は高校卒業後「無名塾」に9期生として入塾。

仲代さんの薫陶を受け、1987年にNHK連続テレビ小説「はっさい先生」のヒロインに抜てきされ、一躍知名度を上げた。映像作品での活躍の傍ら「無名塾」の作品にもたびたび出演していた。

【若村麻由美コメント全文】

 私にとって恩師、仲代達矢さんは演劇の父です。奥様の宮崎恭子さんと共に時間と情熱をかけて育ててくださったことに感謝しかありません。能登演劇堂で「マクベス」のマクベス夫妻をロングランさせていただいた時、全身全霊で体現されるエネルギーに毎日圧倒され、父の背中を見て育つ子の思いでした。

 今年の能登公演「肝っ玉おっ母と子供たち」では92歳とは思えぬ強い母性と生命力溢れる圧巻のおっ母役が本当に素晴らしかったです。千穐楽の日、「観(み)に来てくれてありがとう。また一緒にやりましょう!」と未来に向けた言葉をいただいたのが最期となりました。

 「役者は、棺の蓋が閉まるまで生涯修行です」と仰っていた通りの生き様に「ブラボー!」の大喝采を贈り続けます。カーテンコールを夢に見て、心よりのご冥福をお祈りいたします。

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