◆ドラディション「DRAGON EXPO 1995~無我~」(14日、後楽園ホール)観衆1473(満員)

 プロレス界の“レジェンド藤波辰爾が主宰する「ドラディション」は14日、東京・後楽園ホールで「DRAGON EXPO 1995~無我~」を開催した。

 今大会は藤波が1995年10月に旗揚げした「無我」再興がテーマ。

メインイベントで藤波は新日本プロレスの前IWGP世界ヘビー級王者・ザック・セイバーJrと初のシングルマッチで対決した。

 71歳の藤波が全盛期で38歳のザックと対決する時空を超えた一戦。両者は左腕を取り合う正統的なスタイルで巧みなグラウンドの攻防を展開。ザックがエルボーで追い込めば藤波も張り手、ローキックで応戦する。激しい攻防は、藤波がドラゴンスクリューからの足4の字固めで一気に攻勢に出た。

 窮地を脱したザックだったが藤波が逆さ押さえ込み、首固めで執念の3カウントを奪いにかかる。さらに必殺のドラゴンスリーパーで絞め上げるとザックが立ち上がりザックドライバーで大逆転。そのまま藤波は立ち上がれず3カウントを聞いた。

 勝利したザックはリング上でマイクを持つと「夢の対決だった。16歳でデビューしてこれほど感激したことはなかったです」と明かし、藤波へ日本語で「来年55年。すばらしいもう一回やりたい」と再戦を要求した。藤波も「OK!」と呼応し、ネクストに期待を持たせた。

 バックステージで藤波は「足がどこまでもつかというのと相手が相手なんで体の節々が…」と苦笑いし「彼は半分も出してないんじゃない。もっと自分が…たらればだけど、いい時にやりたかったなぁ」と明かした。71歳での挑戦に「自分が悲鳴をあげるぐらいの試合をしておかないと、声を大にして現役といえない。まだ夢があるんで夢がかなうまでは現役を続けていきたい」と前を見据えた。

 今大会は95年に旗揚げした「無我」再興だった。「西村が立っててくれたらなぁって…」と絶句し共に「無我」のリングで行動し今年2月28日に53歳で亡くなった西村修さんへ思いをはせ、ザックに食い下がったことに「西村がちょっと手助けしてくれたんでしょう。藤波さん動きましょうって感じで」とつぶやいた。

 さらにザックを「すごい。ダテじゃない。対戦したんで声を大にして言える。本当に素晴らしい選手」と絶賛し、新日本プロレスには「まだまだいっぱいいるでしょう」と明かした。12月28日に72歳を迎える。

そして来年2026年5月にデビュー55周年を迎える。「プロレスは夢を売る商売。今日も、(ファンのみなさんが)ありがとうって言ってくれたけど、みなさんが応援してくれてこっちがありがとうです」と感謝し「体力の続く限りリングに立ちたい。引退の二文字は見えません」と少年のような笑顔を浮かべていた。

 

 ◆11・14後楽園全成績

 ▼メインイベント スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負

●ザック・セイバーJr.(9分42秒 ザックドライバー→片エビ固め)藤波辰爾●

 ▼セミファイナル 45分1本勝負

永田裕志(13分11秒 リバースナガタロック3)長井満也●

 ▼第6試合 30分1本勝負

○征矢学(10分37秒、弾道→片エビ固め)LEONA●

 ▼第5試合 30分1本勝負

○船木誠勝(10分13秒 ハイブリッドブラスター→体固め)AKIRA●

 ▼第4試合 30分1本勝負

△越中詩郎(5分48秒 両者反則)黒潮TOKYOジャパン△

 ▼第3試合 30分1本勝負

○小島聡(8分06秒 ラリアット→片エビ固め)倉島信行●

 ▼第2試合 30分1本勝負

○田島久丸(4分44秒 アルゼンチンバックブリーカー)三州ツバ吉●

 ▼第1試合 30分1本勝負

○MAZADA(5分01秒 首固め)竹村豪氏●

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