全国高校サッカー選手権大会大阪予選で優勝し、その後、部員数人が飲酒行為などで停学とクラブ活動の無期限停止処分になっていた興国高(大阪市)サッカー部が15日、予定通り選手権に出場すると発表した。

 1日の大阪予選決勝でPK戦までもつれた履正社との激闘を制し、6年ぶり2度目となる選手権出場を決めていた。

しかし翌2日、大阪府内の飲食店で複数の部員が飲酒を行ったという。酒に酔った生徒らの姿が目撃され、3日未明には路上で意識障害の症状を起こして倒れているところを救急搬送されるなどの情報提供があり発覚した。部員らは事実を認めていた。

 その後は部全体に聞き取り調査を行っていた中、同種行為の存在が認められなかったという。学校側は今回「結論から申し上げますと、飲酒を行った当該生徒については、本年12月から行われます第104回全国高校サッカー選手権大会での試合が終了するまでの間、対外試合への出場を停止いたします。選手権大会の試合にも出場させません。一方、サッカー部全体としては、今後も通常どおりの活動を継続し、第104回高校サッカー選手権大会へも出場したいと考えております」などと声明を発表。参加については最終的に学校側の判断になる中「本件飲酒行為に関与していない部員までもが、部員全員の努力でつかみ取った全国大会への出場を理不尽に絶たれることは、部員たちの今後の人生において深い傷痕を残しかねないと考えました。そうであるならば、たとえ批判の目にさらされながらであっても、前を向いてプレーする経験の方が、より部員たちの今後の人格形成に寄与すると考えた次第」とした。

 また、声明の中では「今後怪我や疾病、コンディション不良等によって試合に出場しない選手が出てくる可能性もありますところ、憶測で飲酒した生徒を特定するようなことはお控えいただきますようお願いいたします」と誹謗(ひぼう)中傷への注意喚起や、教育体制全般の見直しも約束している。

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