◆「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025」 日本11―4韓国(15日・東京ドーム)

 ロッテ・西川が、またも初球をさばいた。「7番・左翼」で出場し、2点差に迫った4回2死二、三塁。

2番手右腕の甘く入った初球スライダーを逆方向にはじき返し、右翼線を破った。同点二塁打に「積極的にいこうと心がけた。100点の打撃だった」と自画自賛。1打席目も初球を右安打とし、わずか2球で2安打2打点をマークした。

 井端監督の“秘蔵っ子”が大暴れだ。青学大3年時の24年3月、欧州代表戦で初選出されると、第1戦に13年11月の岡大海(明大)以来の大学生野手として出場し、初打席初球を適時二塁打。マルチ安打の衝撃デビューを飾った。今大会は投手を中心に故障による辞退者が続出。今季108試合でパ6位の打率2割8分1厘、3本塁打、37打点を記録した新人王候補が追加で招集され、結果で示した。

 12日までの宮崎合宿では、同じ右の長距離砲で阪神・森下と打撃練習を共にする時間が多く、技術を学んだ。今オフの自主トレでの弟子入りを志願するなどし、森下も「気にかけてます。気付いたことを言って、史礁にも言ってもらう。

すごくいい関係でやっています」と笑顔。松田野手総合コーチも「何か吸収しようという思いを感じる」と、貪欲な姿勢に目を見張った。

 23年、前回WBCは青学大時代にテレビ観戦。世界一を決めた瞬間が鮮明に記憶に残っているという。本大会は鈴木(カブス)、近藤、周東(ともにソフトバンク)、森下ら外野手争いはし烈だが、脅かす存在になりつつある。「円陣で牧さんが『WBCに向けていい試合をしよう』と言って始まった。明日も勝てるように頑張りたい」。大舞台で猛アピールに成功した若武者が、追加招集から異例の“下克上”を狙う。(竹内 夏紀)

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