◆上尾シティハーフマラソン(16日、埼玉・上尾運動公園北側川越上尾線発着=21・0975キロ=報知新聞社後援)

 例年、箱根駅伝に出場する各校が新春の大一番に向けた「登竜門」として参加する大学男子の部で、国学院大の青木瑠郁(るい、4年)が1時間0分45秒の日本人学生歴代10位タイの好タイムで優勝した。3秒差の2位に駒大の桑田駿介(2年)が続いた。

 国学院大勢は8位以内の入賞が最多の3人。存在感を示した。今春、福岡・大牟田高から入学したルーキーの野田顕臣(けんしん)は1時間1分29秒で6位と健闘。昨年の今大会で大東大の棟方一楽(かずら、3年)がマークした1時間1分38秒のU20(20歳未満)日本記録を9秒更新した。

 「U20日本記録は意識していませんでした。ゴールした後、知りました。レース前、目標タイムは決めていなくて、行けるところまで先頭集団に食らいついていくつもりでした。でも、選手寮で部屋長でもある青木さんと駒大の桑田さんに15キロで引き離されてしまい、まだまだ力不足です」。初のハーフマラソンで、いきなりの快挙にもた野田は、全く満足することなく、話した。

 学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月13日、島根・出雲市=6区間45・1キロ)は登録メンバーに入らず、同2戦の全日本大学駅伝(11月2日、名古屋市~三重・伊勢市=8区間106・8キロ)は登録メンバーに入ったが、出番はなかった。「1年目から3大駅伝すべてに出るつもりだったので悔しいです。やはり、国学院大は先輩たちが強くて選手層が厚いです」と野田は話す。

 今季最終戦の第102回箱根駅伝(来年1月2、3日、東京~箱根間往復=10区間217・1キロ)にかける思いは強い。「箱根駅伝は10区を走りたいです。区間賞も獲得して、笑顔で優勝のゴールテープを切りたいです」と意欲的に話した。

 選手層が分厚い国学院大に、さらに野田が箱根駅伝の距離も走れることを証明した。「1時間1分台は出ると思っていました」と前田康弘監督(47)は冷静に語る。

 昨年の全国高校駅伝で、野田は主要区間の4区で区間賞を獲得し、大牟田の準優勝に貢献した。応援の声に応えて何度もガッツポーズを繰り返した元気な走りは成績以上にインパクトを与えた。野田顕臣の元気あふれる走りは、箱根駅伝初優勝を目指す国学院大にとって、ひとつの強みとなる。

 大学男子の部上位選手は以下の通り。

<1>青木瑠郁(国学院大4年)1時間0分45秒

<2>桑田駿介(駒大2年)   1時間0分48秒

<3>西村真周(東洋大4年) 1時間1分18秒

<4>原 悠太(帝京大3年)1時間1分21秒

<5>菅谷希弥(駒大2年)  1時間1分24秒

<6>野田顕臣(国学院大1年)1時間1分29秒=U20日本記録

<7>嘉数純平(国学院大4)1時間1分30秒

<8>白川陽大(中大4年)  1時間1分34秒

編集部おすすめ