陸上の八王子ロングディスタンスは22日、東京・八王子市上柚木公園陸上競技場で行われ、1万メートル最終A組で9月の東京世界陸上代表・鈴木芽吹(24)=トヨタ自動車=が日本新記録の27分5秒92をマークして日本勢トップの6位だった。23年12月に塩尻和也(29)=富士通=が出した27分9秒80を3秒88更新。

日本勢2番手の8位に入った吉居大和(23)=トヨタ自動車=も日本歴代6位の27分21秒45だった。

 最後まで力強かった。日本新記録を確信し、両手を大きく広げてゴールした鈴木は「しっかり、妥協なく準備してきた。出し切れれば、いけるんじゃないかと思っていた」と満足そうに振り返った。気温9度でほぼ無風と、記録を出すには絶好のコンディション。序盤から海外選手に食らいつき、残り1000メートルは「自分が行くしかない」と一時トップに立つ激走。「ラップタイムも保てた。良かった」と爽やかに笑った。

 9月に初めて世界陸上を経験。結果は20位で「本当に自分は、通用しないんだなと思った」。10月は母校の長野・佐久長聖高の練習に顔を出し「ここで頑張っていた。そういう気持ちがなくなっていたかもしれない」と初心に戻った。

普段の練習でも「量をやる時期、質をやる時期と分けて計画を立てた」と戦略的に鍛錬し、日本新につなげた。

 「世界の基準は26分台」とまだまだ貪欲だ。「優勝したい」と意気込むニューイヤー駅伝(来年元日)。その後も「トラックを極めていきたい」と足を磨いていく。(手島 莉子)

 ◆鈴木 芽吹(すずき・めぶき)2001年6月3日、静岡・熱海市生まれ。24歳。泉中3年時に3000メートルで8分31秒45をマークし、佐久長聖高進学。全国高校駅伝に3年連続で出場。駒大では箱根駅伝に4年連続出走。トヨタ自動車に進み、今年9月の東京世界陸上代表入り。結果は20位。174センチ、58キロ。

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