巨人に立ちはだかった名選手の連続インタビュー「巨人が恐れた男たち」。第11回は元西武の石毛宏典さん(69)だ。
プロ野球選手になりたいと思ったことはなかった。甲子園に行きたい高校生でもなかった。実家が農家で、家に帰りたくない、野良仕事はやりたくない、そんな思いで野球部に入っていたようなものだ。
駒大に入ったばかりのときは、教職を取って母校の監督でもやろうかなと思っていた。寮から学ランを着て授業に行こうとしたら、呼び止められた。部屋長は4年生の中畑清さんだ。
「何考えてんだ、おめえは? 授業なんかいらねえ、ジャージーに着替えて、走って、バット振っとけ!」
そのおかげで、大学時代から日本代表に選ばれるようにもなった(笑)。
西武では「チームリーダー」と呼ばれてきた。広岡さんが監督のときには試合前に必ずオレが1分間スピーチをやった。
ある遠征先でのこと。負けた試合の帰りのバスで、清原和博と大久保博元がおしゃべりしていた。「てめえら、ふざけんな」ときつくしかった。当時の若手は新人類なんて言われていたけど、厳しいことを言っても素直に聞く耳は持っていた。あとで大久保は「石毛さんに言われたらしかたないです」と言っていたけど、それくらいのものは示してこられたんじゃないかな。
野球という仕事を通じて楽しさを感じることって、実はそうそうないと思っている。
◆石毛 宏典(いしげ・ひろみち)1956年9月22日、千葉県生まれ。69歳。市銚子―駒大―プリンスホテルを経て80年ドラフト1位で西武に入団。1年目から遊撃手の定位置を獲得して新人王を受賞。86年には3割2分9厘、27本塁打でMVPを受賞した。ベストナイン8回。










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