教育・学習支援のスタートアップ企業「株式会社Classroom Adventure」は30日、同社と日本ファクトチェックセンター(JFC)が12~24歳を対象とし、29日にオンラインで開催された情報検証の全国大会「ユースファクトチェック選手権2025(GenAsia Challenge 2025)」の国内決勝大会で、2チームが同率1位で優勝したと発表した。

 中学生から社会人まで参加した75チーム(194人)の頂点に輝いたのは、同率1位の「YAYO―SAN」(北大1人、札幌大谷大1人)とTDU(東大2人、米ミネルバ大1人)。

以下、3位「BulletClub The Judgement」(琉球大1人、北大1人)、4位「Daterui」(東北大2人)、5位「ユニコーンフェニックスドラゴン」(42Tokyo 3人)までの5チームが世界大会進出を決めた。

 同社は「生成AIの普及により情報の真偽判定がかつてないほど困難になった現代において、次世代を担う若者たちが楽しみながら『ファクトチェック(事実検証)』のスキルを習得・発揮することを目的としています」と説明。「検索力と批判的思考の『eスポーツ』」と銘打っている。国内決勝大会では2~3人のチーム戦で行われ、参加者は検索エンジン、地図アプリ、画像解析ツールなどを駆使し、以下のような課題に取り組んだ。制限時間は2~5分。

▼OSINT(公開情報調査)「特定の人物の出身高校の隣にあるラーメン店の、大盛りラーメンの価格はいくらか?」…断片的な情報から地理的条件を絞り込み、正解を導き出す調査力が問われた。

▼AI画像検知:「出雲大社の紹介動画に含まれる、生成AIで作られた架空の神殿を見破れ」…一見、本物に見える映像の中から、建築様式の矛盾やAI特有の生成ノイズを見抜き、フェイク映像を特定する審美眼が試された。

▼統計データの検証:「ニュース記事に引用された総務省の統計データは正しいか?」…もっともらしい記事の中に潜む数字の改ざんを、一次資料(原典)に遡って確認する「ラテラル・リーディング」の実践が求められた。

 上位チームは12月13日に開催される世界大会への出場権を獲得する。賞金総額は2000ドル。

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