阪急交通社は2日、今月27日から来年1月5日出発の海外旅行、国内旅行の予約状況から、年末年始の旅行動向をまとめたものを発表した。

 今年度の集客は、国内旅行が前年比101%、海外旅行が116%と順調に推移しているものの、年末年始期間に限ると国内・海外旅行とも前年比90%となっている。

大型連休は「この時期しか休めない」という現役世代の需要が大きくなる傾向があるが、10月の消費者物価指数が前年から3%上昇するなど、物価高の影響は否定できない。今年の年末年始は昨年同様、9連休が可能な日並びだが、国内の物価上昇に加え海外旅行では円安や燃油高が継続しており、通常期と比べて現役世代の需要に影響が出ていると考えられる。

 海外旅行では、エジプトや中南米など遠距離の旅行先が前年を上回り、長期間の休暇でないと訪問できない遠方への旅行が積極的に選好される傾向が見られた。国内旅行では、沖縄が離島を中心に伸長したほか、北海道も温泉や旬の味覚をテーマとする旅が人気を集め、前年を上回っている。

 海外旅行の予約人数は、前年比90%で推移している。人気の旅行先は、1位は台湾、2位はヨーロッパ、3位は韓国となった。4位は香港、5位はエジプトとなった。アジア地域では、台湾、韓国は上位を維持しているものの、需要は前年を下回り一服感が見られる。一方、前年からの伸び率では、中国が4月以降、伸長しており、1位となった。また、ベストシーズンとなるエジプトは、前年に続き前年比で106%と好調に推移しており、需要の強さがうかがえる。海外旅行の出発日のピークは27日で、次いで30日、28日となっており、予約は今月下旬に集中している。

 国内旅行の予約人数は、前年比90%で推移している。

人気の旅行先は、1位は近畿、2位は関東、3位は北陸・甲信越となったが、伸び率では、沖縄、北海道が上位となった。沖縄は離島を中心に需要が高まり、航空機とホテルを組み合わせたフリープランが堅調。北海道は温泉や函館・札幌のフリープラン、旬の味覚をテーマとした旅が人気となっている。また、日帰りの「ミステリーツアー」(行き先は当日発表)の人気も高まっており、「どこに行くか分からない」というワクワク感が新しい旅の楽しみ方のひとつとして、定着しつつある。国内旅行の出発日のピークは31日で、次いで1月5日、12月28日となっている。

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