WBA世界バンタム級正規王者の堤聖也(29)=角海老宝石=が3日、練習拠点とする東京・練馬区のDANGANジムで練習を公開。WBA同級暫定王者ノニト・ドネア(43)=フィリピン=との団体内王座統一戦(12月17日、東京・両国国技館)へ向け「ハイリスクローリターンな試合。

スコアが大差になるイメージもない」と接戦での勝利を思い描いた。

 対ドネア2戦2勝の井上尚弥(32)=大橋=からも、情報を収集した。先月下旬に大橋ジムに出稽古に行った際、尚弥からドネアと向き合った時に感じた雰囲気などを聞き「フックは痛いよ。まともにもらったら危ないよ」などと忠告された。堤は「僕に当てはめちゃうと、すごい差が生まれてしまう」と謙遜しながらも、「尚弥さんが感じたものを実際に聞けてすごく大きかった」と収穫を口にした。

 バンタム級戦線は群雄割拠の様相を呈している。11月24日のWBC王座決定戦で井上拓真(29)=大橋=が那須川天心(27)=帝拳=を下し新王者となった。現地で見届けた堤は「刺激をもらえた。いずれあそこ(拓真)ともやっていかないといけない気持ちが生まれた」と昨年10月に判定勝ちで王座を奪取した拓真との再戦に意欲。今月31日にWBA挑戦者決定戦に臨む元4階級制覇王者の井岡一翔(36)=志成=とも「今後やる流れが強まるのは確か。こちらとしてはありがたい」と対戦を改めて切望した。

 ドネア戦をクリアすれば、拓真、井岡との対戦が来年5月予定の東京ドーム興行で実現する可能性も出てくる。

「勝っていけばそういう面白いカードが組める。火がつきますよね」。世界5階級制覇のレジェンドを踏み台に、ビッグマッチへ駆け上がる。(勝田 成紀)

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