◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 兵庫競馬2人目の女性騎手として24年4月にデビューした塩津璃菜(しおつ・りな)。「人なつっこいところが持ち味。

誰とでも親しくなれる」と言う通り、記者の場合も塩津から唐突に話しかけられると、次の日からは、倍以上に年齢が離れているにもかかわらず、背後から肩を“ちょんちょん”と叩くという古典的ないたずらを仕掛けられた。彼女の独特なペースに引き込まれてしまい、まるで以前から知り合いだったかのように、自然に話すようになった。

 2年目を迎え、プロ意識も向上中。今年の6月には騎乗馬に鞍を装着する際に腕をかまれて、勝負服が血で染まるほどだったが、何事もなかったかのように騎乗。応急処置を施し次の騎乗に臨む姿勢には感心するばかり。

 7月から11月中旬まではホッカイドウ競馬で期間限定騎乗。当初の予定を約1か月延長して、追い出すタイミングなどを勉強してきた。その成果もあって若手騎手が手腕を競うヤングジョッキーズシリーズで地方競馬西日本地区の2位となり、ファイナルラウンド(18日・園田と20日・中京)へ進む。ついにJRAでも騎乗することになった。

 昨年のファイナルラウンドも園田で行われ、来年はこの舞台に出ようと水を向けた記者に対し「私なんて…」と後ずさりしていたが、今は違う。「絶対に行く」と宣言して実現させた。兵庫一の愛されキャラは中京競馬場のファンも魅了してくれるはずだ。

(地方競馬担当・蔵田 成樹)

 ◆蔵田 成樹(くらた・まさき) 1992年入社。北海道に行く前に「3か月もたてば(記者の顔を)覚えていないかも」と言われましたが、忘れられてはおらず安心しました。

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