巨人が新外国人として前レッドソックス傘下3Aウースターのブライアン・マタ投手(26)の獲得に向けた本格調査を行っていることが9日、分かった。ベネズエラ出身の最速160キロ右腕で、メジャー経験はないが、マイナーでは先発、リリーフともに経験があり、高い奪三振率を誇る本格派。

入団が実現すれば、先発不足解消に向けて大きなピースになる。

 巨人が先発整備へさらなる補強を模索していた。新助っ人候補として160キロの剛速球が魅力の本格派右腕・マタの本格調査を進めていることが明らかになった。メジャー経験こそないが、球団はマイナーで打者を圧倒する力強い投球スタイルに注目。26歳と若く成長が見込める点も魅力だ。この日、現地メディアでNPB球団への移籍を目指していることが報じられた。

 今季はレッドソックスのマイナー3Aで全てリリーフで42試合に登板。3勝3敗、防御率5・08だったが、速球と鋭く曲がるカーブ、スライダーを武器に67回1/3で投球回数を大きく上回る93奪三振をマークしていた。シーズン後には故郷のベネズエラでのウィンターリーグに参戦し、ここまで8試合に登板、うち6度先発して4勝2敗、防御率1・50。メジャーの金の卵が集う同リーグで圧巻の投球を見せている。

 今季の巨人の先発陣は山崎が11勝したが、戸郷が8勝、赤星が6勝、井上が4勝、田中将と森田が3勝で固定できなかった。6勝したグリフィンは自由契約となり、メジャー復帰を目指して退団する見込み。

マタは24年までマイナーで主に先発だった。先発不足解消が課題の巨人は先発としての適性を評価しているとみられる。すでに16年メジャードラフト1巡目の201センチ右腕で、前レイズのフォレスト・ウィットリー投手も先発候補として本格調査を進めている。

 近年の巨人は今季で退団する外野手のヘルナンデスや、来季も残留する左腕・バルドナードなど、メジャーでの実績が少なくハングリー精神あふれるマイナー選手を地道なスカウト活動で発掘した例がある。マタも日本の野球を学ぶことで大化けする可能性を秘めている。

 先発補強では、ドラフトで1位の鷺宮製作所・竹丸ら即戦力の新人を指名。ソフトバンクを自由契約になりメジャー再挑戦が第1希望とされる有原は、国内移籍を決断した場合に備えて動向を慎重に注視している。そんな中でベネズエラ出身の剛腕・マタにも熱視線を送り、着々と戦力整備を進めていく。

 ◆ブライアン・マタ(Bryan Mata)1999年5月3日、ベネズエラ生まれ。26歳。17歳で米レッドソックスと契約。メジャー経験はなく、マイナー通算150登板(101先発)32勝30敗、防御率3.67、515回を投げ553奪三振。

190センチ、101キロ。右投右打。

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