米野球殿堂では今年、新たな規則変更を決めた。16人による時代委員会投票で5票未満の候補者は、次回の投票では、候補から除外するという。
7日(日本時間8日)に野球殿堂は、主に1980年代以降に活躍した選手を対象にした時代委員会による投票結果を発表した。殿堂入りが決まったのは、二塁手として歴代最多となる通算377本塁打を放った強打者、ジェフ・ケント氏だった。この投票で、通算762本塁打の記録保持者バリー・ボンズ氏、通算354勝のロジャー・クレメンス氏、通算509本塁打のゲーリー・シェフィールド氏、1981年に新人王&サイ・ヤング賞となった通算173勝のフェルナンド・バレンズエラ氏の4人は、5票未満に終わった。
そもそも殿堂入りには、2つの選出方法がある。全米野球記者協会(BBWAA)による記者投票で75%の得票を得ること、そして得票率が5%未満の場合、その時点でBBWAAの投票による殿堂入りの資格はなくなる。その資格がなくなった選手や、監督や審判、球団幹部の殿堂入りを審議するのが時代員会となる。時代委員会の投票は、主に1980年以降に活躍した選手、主に1980年以降に活躍した監督、審判、球団幹部、そしてニグロリーグを含む1980年以前に活躍した人物、と対象が3つに区分されている。3年周期のローテーションで行われ、毎年3つの区分のうち1つの投票が行われるシステムになっている。
時代委員会の委員が投票できる人数は最大3人で、1人も選ばないこともできる。今年の委員構成は、殿堂入りOB7人、元MLBGM4人、現MLBオーナー2人、メディア関係者2人と野球歴史家のスティーブ・ハード氏の計16人。ボンズ氏、クレメンス氏の場合、5票未満で4票としても得票率は25%となる。
1980年代以降活躍選手の次回投票は2028年が予定されている。日本でも名の知れたボンズら上記4人は、その投票からは外れることになる。次々回は2031年だが、その時に再び投票で5票未満となると永久に候補から外れ、野球殿堂入りの道が閉ざされるという。
全米野球記者協会投票での最終的な得票率は、ボンズ氏が66・0%、クレメンス氏も65・2%と記者の3分の2が殿堂入りOKだっただけに、長老的な存在が少なからずいる時代委員会委員にとっては、彼らの薬物使用疑惑は大きなマイナス材料になっているのだろう。この日の結果を見る限り、彼ら2人の野球殿堂入りは絶望的と言わざるを得ない。
晴れて殿堂入りを果たしたケント氏は、17年間のメジャー生活で打率2割9分、2461安打、1518打点。2000年には打率3割3分4厘、33本塁打、125打点をたたいてジャイアンツの地区優勝に貢献し、同僚で49本塁打のボンズ、打率、打点の2冠王ヘルトン(ロッキーズ)を抑えてMVPに輝いた。強打の二塁手としてシルバースラッガー賞4回、オールスター戦選出も5回あるものの守備評価の低さや、時代背景なども影響し全米野球記者協会投票では10年間で最高得票率が46・5%で、選出ラインの得票率75%に届かなかった。
ケント氏に次いで通算473本塁打のカルロス・デルガド氏が9票、通算打率3割7厘のドン・マッティングリー氏、2年連続MVPのデール・マーフィー氏が各6票だった。
※参考資料 米野球殿堂、MLBトレードルーマーズ
蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)










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