第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する21チームの登録メンバー各16人が10日、発表された。前回5位の中大は、1996年以来、30年ぶり最多15回目の総合優勝へ大きなチャンスを迎えた。
30年ぶりの栄冠が現実味を帯びてきた。中大はダブルエースの吉居と溜池、前回3区区間賞の本間颯(3年)、同4区9位の白川陽大(4年)と往路出走者が順当にメンバー入り。今季で就任10年目の藤原正和監督(44)は「ここで勝てば、次の10年は黄金期を迎えられる。今年1年、優勝に執着してやってきた」とメラメラ燃え、「総合優勝にチャレンジしたい」と言い切った。
目標達成へ、出し惜しみはしない。ポイントとなるのは復路の7区。“つなぎ区間”とも呼ばれるが前回、駒大のエース佐藤圭汰(4年)が担い、区間新記録の激走で流れを変えた。「箱根は出遅れ厳禁」のため2区の溜池、3区の本間には今年と同区間を担わせる予定。7区には「吉居駿恭を置けたら良い」と前回スタートから約300メートルで飛び出し、一度も首位を譲らずに1区歴代4位の区間賞を獲得した、チームの主砲を配置する勝負手の一端を明かした。
前回は復路を担った岡田開成(2年)、藤田大智(3年)らも学生トップクラスの選手に成長。脇を固めるメンバーの成長があるからこそ、エースを復路に残す構想も生まれた。「自分たちの強みをいかに出せるかが大きな勝負になってくると思う」。強力布陣が整い、優勝は一歩ずつ近づいている。
速さと強さを兼ね備える。今回1万メートルの持ちタイム27分台は6人で、上位10人の平均タイムは大会史上初の27分台となる27分55秒98。これまでも「スピード」が武器だったが「速さはあるけど強さがないことが、うちの課題。この子たちが苦手な我慢練習みたいなものを多く入れた」と夏は例年以上に距離を踏み、粘り強さが増した。「強さを持ち始めたことが、今のチームの勢い」。11月の全日本大学駅伝で20年ぶりの2位となり「全員が箱根駅伝の優勝を狙っているチームになった」と胸を張った。伝統の「C」マークが、新春の箱根路で輝きを増す。(手島 莉子)



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