スポーツ報知では、巨人のドラフト1位・竹丸和幸投手(23)=鷺宮製作所=のプロ入りまでの軌跡を全3回で連載する。第2回ではプロへの道筋など全く見えず無欲だった城西大時代。
まっさらなマウンドで腕を振る―。そんな光景はほど遠かった。竹丸は、大学時代、主にリリーフでの登板ばかりだった。「ただ単に体力がなかったからです」。きっぱりと言い切ったのは、大学2年の冬から投手コーチとして竹丸を指導していた浜田友哉さん(52)だ。
大学入学時、細身だった左腕は明らかにスタミナ面で課題を抱えていた。「野球を始めた当初はプロになりたいって思っていたんですけど、いつからかプロは無理だなって思うようになりましたね」と竹丸。当時、プロは夢のまた夢の別世界だった。
チームメートと比べ体力が劣っているのは明らか。それでも、ウェートトレーニングなどに積極的に取り組むタイプではなかった。浜田さんは「全然、無力でした。
だが、周囲はその潜在能力を見抜いていた。体を柔らかく使うきれいなフォーム、「軸となるボール」と語るチェンジアップのセンスは際立っていた。「自分の能力に気づいていない感じでしたね。一番苦労したことは『お前はすごい選手なんだぞ!』ってすり込ませることでした」と浜田さんは振り返る。
「お前はすごいんだ」「お前はすごい投手になる」。周囲から繰り返される“暗示”。無欲だった左腕は、徐々に変わった。少しずつトレーニングに励むと結果が出始めた。発展途上だった体の成長と並行し、真っすぐの威力が増した。
変化したのは体だけではない。4年秋に昇格した首都1部リーグでは3勝1敗、防御率1・52をマーク。力がつくにつれ「自分が抑える」という責任感も生まれた。1、2年時とは別人のようにどんな場面でも「僕が行きます!」と即答してマウンドへ向かった。これまで無欲だった男に「勝ちたい」という勝利へのこだわりが芽生えた。高校時代の竹丸は、ここまで自分が野球に打ち込むことになるとは想像していなかった。(水上 智恵)=つづく=










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