ドジャース・山本由伸投手(27)が、来年3月に行われる第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する見込みであることが12日までに、分かった。侍ジャパンではドジャース・大谷翔平投手(31)に続いて2人目の出場内定選手となった。

一方で佐々木朗希投手(24)は出場を見合わせることとなった。

 山本はメジャー2年目の今季、東京ドームで行われたカブスとの開幕戦の先発を託されると、チームの先発陣で唯一1年間ローテを守り抜いて30登板で12勝8敗、リーグ2位の防御率2・49の好成績を残し、サイ・ヤング賞投票でも3位に入った。被打率1割8分3厘はリーグ1位、WHIPは0・99で同3位。メジャーでも屈指の成績だった。

 ポストシーズンでも6登板で2完投を含む5勝を挙げるなど大車輪の活躍。特にワールドシリーズでは、負ければ敗退が決まった第6戦で先発して6回96球を投げて1失点で勝利投手になると、翌日の第7戦では9回途中から「中0日」でリリーフ登板し、2回3分の2で34球を投げ、1安打無失点で試合を締めくくり、胴上げ投手となった。球史に残る活躍で、日本人選手では09年松井秀喜(ヤンキース)以来2人目となるワールドシリーズMVPにも輝いた。

 WBC出場についてはシーズン終了後に「いったんしっかり休んでまた練習頑張ります」と話すにとどめていた山本。メジャー1年目の24年は右肩を痛めて約3か月離脱し、メジャーで1年間投げ続けたのは今季が初めてだったとあって、26年開幕前のWBC出場についてロバーツ監督は「山本は(今季)非常に多くのイニングを投げており、WBCのために通常より調整時期を早めて投げられるようにすることは、それもまた負担が大きい」、「(出場する場合も)どのような制限をかけるか話し合いが必要。特に山本は来季のことも見据えないと」とも口にしていた。

 優勝請負人が侍ジャパンに加わることは、2連覇へ向けて心強い存在だ。山本は侍ジャパンに選出されて出場した19年プレミア12、21年東京五輪、23年WBCと、優勝に貢献。

所属チームでも21年からオリックスで3年連続リーグ優勝に輝き、24年に加入したドジャースでも2年連続ワールドシリーズ制覇に貢献した。19年11月のプレミア12から“1人8連覇中”だ。

 前回のWBCでは、2試合に登板して1勝無敗、防御率2・45。1次ラウンド第4戦のオーストラリア戦に先発して4回1安打無失点で勝利投手になると、準決勝のメキシコ戦では先発した朗希に次ぐ2番手で登板し、サヨナラ勝ちにつなげた。今大会ではドジャースでも最強タッグを組む大谷とチームの中心になることが期待され、先発の柱になることは確実だ。

 井端監督は「投げ始めが大事だと思うので、状態もあるのかなと。その都度、しっかり連絡を取り合ってやっていきたい」と話すにとどめ、米フロリダ州オーランドのウィンターミーティング中に井端監督と話し合いの場があったドジャースのフリードマン編成本部長は「とても素晴らしい会話を持てた。我々は日本代表を支援しており、互いに敬意を持って進める」と明かしていた。

 一方で朗希は今年右肩を痛めて5月から約4か月間離脱。9月にリリーフでメジャー復帰し、ポストシーズンでは抑えを務めるなど存在感を示したが、来季は再び先発に戻る見込みで、万全の状態を期するためにWBCへの出場を見合わせることとなった。原則としてはWBCの出場については個人の意思にゆだねる方針を示していたロバーツ監督も朗希の出場については「朗希に限ってはけがからの復帰途中なので、(WBC出場を)抑止できるかもしれない」と黄色信号を出していた。

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