MLBのウィンターミーティング(WM)とはどんなものなのか―。日本にはない“一大イベント”の4日間を現地で初めて取材した中村晃大記者が「見た」。

 初めて訪れたWMは予想とは大きく違った。「ミーティング」と言っても「会議」のような空気感はおそらく球団幹部と代理人らしか立ち入れない交渉現場だけだろう。ディズニーワールドのすぐ横にある今年の会場ホテルのロビーは大きなクリスマスツリーで彩られ、夜はバーでお酒を飲みながら楽しそうに話す人であふれかえっていた。選手の移籍交渉だけではなく、MLBやその関連企業に就職したい人まで、広大な敷地の各所でリクルートが繰り広げられていた。

 2日目の午前中。エンゼルス広報の厚意もあり、番記者しか入れないGMとの会合に入れてもらえる機会があった。高層階にあるスイートルームで、丸テーブルの時計でいう12時の席にミナシアンGMが座り、サイドを計6人の日米記者で“囲む”スタイル。取材というよりは雑談のような雰囲気だった。だが、40分ほど過ぎた頃。エ軍関係者がスマホを見て「Oh!」と声を上げた。シュワバーのフィリーズ残留を現地記者らが続々とXで伝えたのだ。直後にはドジャースがディアスを獲得したという情報も。

緊張に加え、あまりにも怒とうの展開に興奮してしまい、その時のミナシアンGMの表情をチラ見できなかったことを後悔している。(中村 晃大)

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