ドジャース大谷翔平投手(31)は、2年ぶりに二刀流に復帰した今季もリーグMVPに輝いた。3年連続、4度目の受賞はいずれも最長4年連続で7度受賞のボンズ(パイレーツ、ジャイアンツ)に次ぎ2位。

過去、2度以上満票での受賞選手はいなかったが、大谷は全4度が満票での受賞と、歴史に名を刻んだ。

 今季は自己最多の55本塁打。ポストシーズン(PS)でも史上2位タイの8発で、合計63本塁打を放った。レギュラーシーズン(RS)で63本以上放ったのはボンズ、マグワイア、ソーサの3人で6度あるが、いずれもその年のPSでの本塁打はなし。RSとPSの両方で本塁打を放った選手の合計では今季65発のローリー(マリナーズ、60+5)が最多で、64発の22年ジャッジ(ヤンキース、62+2)に続いて大谷は3位だった。

 21年から5年連続で30発以上。21~25年の5年間での本塁打は249発のジャッジに続いて、233発で2位。200発以上を放っているのは219発のシュワバー(フィリーズ)を含めた3人だけだ。飛び抜けたスイング、打球を見せているかというと、平均スイングスピードは75・8マイル(約122・0キロ)で規定打席到達の選手の中ではMLB全体で10位、平均打球角度は15・0度で同58位だった。本塁打だけを狙うようなマン振りで、打ち上げるだけの打撃はなかった。

 ではなぜ本塁打を量産できるのか―。技術と質の高さだ。

データサイト「Baseball Savant」によると、打球角度と打球速度を組み合わせた「バレルゾーン」(※1)に入った打球は100でMLBトップ。スイング速度と、どれだけ効果的に捉えられたかを示す「ブラスト」(※2)も205で1位。バレル率23・5%、ブラスト率26・0%はいずれも2位だった。相手投手の失投を逃さず捉えた証拠。一方では、状況に応じて出塁や適時打などを優先させた打撃もあった。2番以降にベッツ、フリーマンらが控え、自己最多の148試合に1番打者として出場した影響もあったようだ。

 今季は2年ぶりに投手にも復帰。23年9月に受けた2度目の右肘手術を経てのマウンドとあって、状態が心配される部分もあったが、MLBの公式戦では自己最速の101・7マイル(約163・7キロ)をマークした。PSを含めても18登板だけだったが、15試合以上(PS含む)の先発した投手の中では、100マイル(約161キロ)以上49球(PSを含む)は324球のグリーン(レッズ)、53球のスクバル(タイガース)に次いで3位。同条件で直球の平均球速98・4マイル(約158・4キロ)はグリーンの99・5マイル(約160・1キロ)に次いで2位だった。リハビリを兼ねたことで短いイニングでの登板が多かったこと、ノーワインドアップで投げたこともあるが、すでにメジャートップクラスの剛腕先発投手に復活した。

 来季はWBC2連覇&ワールドシリーズ(WS)3連覇に挑む。

WSを制し、直後のWBCで優勝したのは、12年にジャイアンツ、13年ドミニカ共和国のS・カシーヤ投手の1人だけで、同年のWBCとWSを制したのは17年米国&アストロズのグレガーソンの2人だけ。さらなる偉業も目指していく。

 ※1 打球角度、打球速度を組み合わせ、長打になりやすい打球の範囲。打球速度によって角度は決まり、打球速度98マイル(約158キロ)では26~30度で、116マイル(約187キロ)以上では8~50度になる。

 ※2 どれだけ質の高いスイングをしたかを示す。スイングスピードと投球の球速から算出される理論上の打球速度の最速値にどれだけ近かったかを示す「スクエアアップ率(%)」とスイングスピード(マイル)の数値を足して164以上になった打球。

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