日本高野連は12日、来春の第98回センバツ高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)に出場する21世紀枠の各地区候補9校を発表した。北海道は、冬に気温が氷点下25度を下回る豪雪地帯の道立校・士別翔雲が名を連ねた。
史上最北の地から、直線距離で1200キロ以上離れた甲子園へ。春夏通じて初の聖地を目指す士別翔雲に吉報が届いた。渡辺雄介監督(44)から候補入りを伝えられた本郷創士主将(2年)は「この結果は自分たちだけでなく、先輩方が築き上げてきた結果。うれしい」。膝まで雪が降り積もるグラウンドで白い歯をこぼした。
士別市は、高級羊の「サフォーク」が約1500頭飼養され、「羊のまち」として知られる。24年の最低気温はマイナス26・8度(1月)で、「ぬれたバットを素手で触ると皮膚がくっつく。それは注意させてます」と指揮官。雪も一冬で2メートル近く積もるため、グラウンド全面を使えるのは4月下旬から。人工芝が敷き詰められたビニールハウスで長い冬を乗り越えてきた。
選手24人は全員が地元上川管内の出身。道内強豪私立に入学する地元中学生が増える中、小中学生対象の体力測定会などを開催して流出を最小限に食い止めてきた。1年生には中学時代に全国大会を経験している選手もいるが、左腕の合田快(1年)は「この高校なら甲子園に行けると思った」。地道な活動と育成が実を結び、23年春からの北海道大会(夏は北北海道大会)で5度、8強以上に駒を進めてきた。
春の大舞台を見据え、早くも動き出す。地元業者に依頼してグラウンドの雪を踏み固め、雪上ノックや実戦形式の練習を実施していく予定。屋外での感覚を取り戻しながら、春の便りを待つ。選出されれば史上最北からの出場。全道10地区で唯一甲子園に届いていない名寄地区から初の快挙にもなる。渡辺監督は「地区の悲願。地区から甲子園の土を踏みたい気持ちも同様に強い」。日に日に厳しさを増す寒さに耐え、運命の1月30日を待つ。
◇最東端校 別海(北海道) 24年春に21世紀枠で出場し1回戦敗退。
◇最西端&最南端校 八重山商工(沖縄) 06年に春夏連続出場。春は2回戦、夏は3回戦に進出。
◆士別市アラカルト
▽面積・気候など 北海道北部の中央に位置する。旭川市中心部から北に車で1時間ほどで、面積は札幌市と同等の1119平方キロ。24年の平気気温は7・1度で、最高は34・1度、最低はマイナス26・8度だった。
▽人口 11月末時点で1万6036人。
▽特産品 羊肉のほか、米やトマトジュースなどが特産品。
▽スポーツ 独立リーグの北海道フロンティアリーグに所属する士別サムライブレイズが本拠地を置く。主な出身者は、ボクシング元世界王者の輪島功一氏、プロ野球元横浜の吉井晃氏ら。










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