エンゼルス菊池雄星投手(34)が14日、岩手・金ケ崎町で小学4~6年生60人を対象とした野球教室「『岩手から世界へ』 菊池雄星野球教室」を行った。

 野球教室を行うのは久々で「自分自身、野球教室をやるというのは多分十数年ぶりなので、楽しみにしていました」と明かした雄星。

小学生のレベルの高さにも感心し「上手だなと思いました。野球人口が減っているという問題は全国的にあると思いますけど、個々の選手を見ると、非常に能力が高い選手がたくさんいた。すごく岩手の野球はこれからさらに盛り上がると確信しました」と驚いていた。

 岩手からは1991年生まれの雄星から94年生まれのドジャース大谷翔平投手(31)、01年生まれの佐々木朗希投手(24)と次々にメジャーリーガーを輩出。ほかにも巨人の堀田賢慎投手(24)、西舘勇陽投手(23)、スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(20)ら多くの選手が岩手から巣立っていった。

 冬場は雪でグラウンドが使えなくなるなど、決して恵まれている環境とは言えない部分もある岩手。雄星は岩手が近年の「野球王国」となっている理由について「たまたまだと思いますけど…」としながらも、思いを口にした。

 「やっぱり『僕もできる』、『岩手だからできる』という風に思ってもらえればいい。昔は『岩手だからできない』だったのが、今は『岩手だからできる』にマインドが野球少年も変わっているのかなと思う」

 さらには今後のさらなる発展へ向けても「我々が活躍することで、身近な存在、岩手出身の選手がメジャーやプロ野球で活躍すること、甲子園もそうですけど、あの人が出来たから僕らもできるよねという思いが一番大事だと思う。その連鎖かなと思う」と、分析した。

 雄星は今オフも2週間ほど岩手に滞在。花巻東高に隣接する場所には室内練習施設の「King of the Hill」(KOH)を作るなど、ふるさとへの思いは強い。

自身は小学6年生の時に元広島、巨人の川口和久氏、元横浜、巨人の屋敷要氏の野球教室に参加したことが強く脳裏に刻まれているとあって「僕も小さいときにプロ野球選手が岩手に教えに来てくれたことを覚えている。今でも誰がというのは忘れず覚えている。きっとこの日が子供たちにとって10年後、20年後も記憶に残る日だと思うので、しっかりと責任を果たしたいと思う」と球界の未来を見据えていた。

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