◆プレミアリーグ第16節 リバプール2―0ブライトン(13日、英国・リバプール・アンフィールド)

 ブライトン所属の日本代表MF三笘薫が、12月13日にアウェーで行われたリバプールとのリーグ戦に後半19分から出場。0―2の劣勢を追いかける展開の中、後半アディショナルタイムの8分を含めて34分間をプレー。

9月27日に行われたチェルシー戦で左足首を負傷して以来の復帰を果たした。来年6月開幕のW杯北中米大会の躍進には、この男の完全復活が不可欠。久々のピッチで復活への一歩を刻んだ三笘のプレーを、英国在住・森昌利通信員が「見た」。

 三笘薫が帰って来た。試合開始1時間前に報道陣に配られるメンバー表に28歳日本代表MFの名前を見つけた時、胸が震えた。ヒュルツェラー監督は「軽症。次の試合には戻って来られそうだ」と語り続けたが、この日の復活までに77日間を費やした。

 難しい場面での起用だった。後半19分、アウェーで、今季は不振とは言え、強豪リバプールに2点をリードされていた。

 三笘は投入された4分後に縦パスに鋭く反応して相手ペナルティーエリア内に侵入。FWルターとのパス交換からボールを受け、左サイドから右足を振ったが、このシュートは惜しくもスライスして逆サイドのポストを外した。

 「(相手の)強度も高かったし、追いかける展開で、多少オープンになったところもあった。

やりきれないとああいうふうになるというのは分かっていたけど、やりきれずに終わった」

 0ー2のまま敗れた試合後、三笘はそう語り、77日ぶりのプレーを振り返ったが、故障明けの影響を見せることなく、激しいプレミアリーグのピッチでしっかり躍動したのは間違いない。

 しかし、本人は「まだまだコンディションが上がっていない」という。それはそうだろう。左足首の状態は一進一退でなかなか完治せず、2か月半も欠場したのだ。

 今月はW杯の組み合わせ抽選もあったが、10、11月の日本代表戦も欠場して、「W杯どころではないので。まず自分がピッチに立つことでアピールしないといけない。そうでないと選ばれないと思う」と話して、オランダと同組になったことには触れず、一からの出直しを誓った。

 ただ、この日後半アディショナルタイムを含めて34分間をプレーし、日本代表のエースが復活したことはれっきとした事実。この試合では相手が守りを固めて目の覚めるような見せ場をつくれなかったが、とにかくピッチに立ったことが重要だ。ここから実戦を重ねてコンディションを上げ、三笘が絶好調で来夏の北中米W杯に登場しての大暴れを期待したい。(森 昌利)

編集部おすすめ