◆高円宮杯U―18サッカー・プレミアリーグプレーオフ▽Bブロック決勝 磐田U―18 5―1 大宮U18(14日、ホットスタッフフィールド広島)

  ジュビロ磐田U―18が大宮U18に5―1で大勝し、3季ぶりのプレミア復帰を決めた。磐田は前半14分にMF河合航希(3年)のゴールで先制すると、FW石塚蓮歩(れあ、3年)がハットトリックの活躍。

シュート数では9対17と押し込まれたが、全員が体を張って粘り強く1失点で守り抜いた。

 あふれる涙をこらえ切れなかった。応援団やサポーターが陣取るスタンドの前に整列すると、磐田のエースFW石塚は顔を覆って号泣。「大好きなみんなと一緒に勝てた」と喜びをかみしめた。

 中3時には夏冬とも全国に行けず、高1時にはプレミアから降格。「最弱の世代と言われていた」と振り返る。昨年は東海2位でプレーオフ進出も、初戦で岡山学芸館高にPK戦で敗れた。それから1年。その日と同じ会場で、積み上げてきた努力の成果を発揮し、雪辱を果たした。

 立ち上がりから押し込まれた。だが全員が粘り強く守り、石塚らFW陣も高い位置からプレスをかけ続けた。そして前半14分、右からのクロスに飛び込んだ石塚がつぶれ、フリーのMF河合が慌てることなく先制弾。

「冷静に思った場所に打てた」と喜んだ。

 これで波に乗った。同24分のセットプレーから石塚が追加点。さらに後半16分にもダメ押し弾。同41分にはFW服部公紀(2年)のシュートのこぼれ球を押し込んで、ハット達成だ。12日の初戦(対札幌大谷)では2得点し、1―3から逆転勝ちしており、「昨日の夜から負ける気がしなかった」。西野泰正監督(43)も「札幌に勝って勢いがついた」と目を細めた。

 5点リードの後半終了間際にオウンゴールで失点したが、文句なしの大勝だ。DF陣を引っ張った甲斐佑蒼主将(3年)は「相手のFWがうまいのは分かっており、気持ちの勝負と言い続けた。全員で頑張れた」と笑顔。試合後に石塚が涙するのを見て「自分も泣いちゃいました」と照れた。

 来季は、さらにレベルの高いステージでの戦いになる。

終了間際にゴールを決めた服部は「ボクが石塚さんに代わるストライカーになって、チームを勝たせます」と宣言。勇ましい後輩たちに、河合は「優勝を目指してほしい」とエールを送った。

(里見 祐司)

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