【サウジアラビアロイヤルC=レース評価・A】2歳G1前に牡馬が出走可能な3つ目のマイル重賞として15年に第1回を施行。このレースを勝った牡馬は他の2重賞(新潟2歳S、デイリー杯2歳S)の勝ち馬に朝日杯FSで先着している。

優勝馬の成績は【3・1・1・1】。牡馬で府中と同じ直線に坂がある阪神施行ではすべて連対。前哨戦としてはレースそのものの位置付けが高く、今年のエコロアルバにも高い可能性を感じる。

 1勝馬が大半の少頭数戦は例年通り。とはいえ3着馬と、当時唯一の2勝馬だった7着アスクエジンバラがその後の重賞で連対と、メンバーレベルは低くない。その相手に対して、出遅れて前半の行きっぷりも悪く、最後方からになりながら大外一気。11秒3、11秒2のラスト2ハロンを含むレースの上がり34秒0を0秒8上回る切れは強力。新馬戦でも新潟の内回り7ハロンでレースを0秒9上回る34秒0の末脚で差し切っており、発馬、追走などの課題を残すなかだけに、さらに奥を感じさせる内容は高評価できる。

 ただし、今年の他のマイル2重賞の勝ち馬はともに府中のマイルで新馬勝ち。直線に坂のあるコースでも結果を残しており、力の比較は難解だ。

 【新潟2歳S=レース評価・A】過去10年で1分33秒台の勝ち時計は3度目。21年の優勝馬セリフォスは朝日杯FS2着、23年のアスコリピチェーノは阪神JF1着で、2頭とも以後にG1勝利を挙げている。

 リアライズシリウスはマイルが舞台となった02年以降で2位タイとなる4馬身差V。3着馬はのちに重賞勝ち、6着サノノグレーターは葉牡丹賞でレコード勝ちと強敵相手の圧勝だった。出遅れながらも番手に追い上げられたのは頭数、外枠が要因。多頭数のG1でどう運べるかがカギだ。

 【デイリー杯2歳S=レース評価・A】同週の古馬1勝クラスは1分33秒3、2歳未勝利でも1分33秒9。レコード決着は馬場の影響が大きい。

 それでも上位2頭はBコース最終週で荒れた内めで叩き合いを演じ、後続に5馬身差。レースのラスト2ハロンは22秒4(11秒2―11秒2)。18年の22秒3(10秒8―11秒5)とペースの比較を加えれば同等以上。当時の勝ち馬アドマイヤマーズは無傷の4連勝で朝日杯FSを制覇。アドマイヤクワッズだけでなく2着馬にもG1に手が届く素質が備わっている。(中野 達哉)

 【該当レースから出走予定の各馬評価】

 エコロアルバ    G

 リアライズシリウス A

 アドマイヤクワッズ A

 カヴァレリッツォ  A

 グッドピース    B

 ※評価は上位順にレースはA~C、馬別はG~Cとなります。

編集部おすすめ