巨人・中川皓太投手(31)が15日、都内の球団事務所で契約更改し、6500万円増の年俸1億5000万円(金額は推定)でサイン。新たに3年契約を結んだ。

来季の目標は、自身初の最優秀中継ぎ投手賞の獲得と日本一。「タイトルは今まで取ったことがない。中継ぎをやっている以上はもちろん目指すべき」と宣言した。

 今季は開幕2軍スタートながらチーム最多63登板でキャリアハイの36ホールドと復活を遂げた。その中で同タイトルは新セットアッパーの大勢が受賞。守護神・マルティネスとの方程式は盤石だが「強敵だけど、そこは遠慮しない。後ろで投げる方がやりがいもあるし勝利に直結する。勝ちパターンをもう一度目指したい」。普段穏やかな男が珍しく、口に出して宣戦布告した。

 FA権を行使しなかった今オフ。幼少期から巨人戦を見て育ち「野球と言えばジャイアンツ」だった。「その球団に入れて、10年もプレーできて。

『やっぱりジャイアンツでやりたい』というのが最後に勝った」。67登板した翌20年は37試合。度重なる故障に悩まされて2年連続でのフル稼働経験はないが「自分の体を、より理解した。そこがようやく今年実を結んだ」と新境地を開きつつある。球団では16年山口鉄也以来の2年連続60登板へ「今年以上(の数字)を出したい」と誓った。

 生え抜き投手では最年長。東海大の先輩でハワイ自主トレなどでも師事してきた菅野智之からは常々「周りを見て」と教わってきた。「菅野さんを見習って後輩を気にしながらプレーできたら」と自覚は十分だ。15年ドラフト7位で入団しリーグVが3度。「あとは日本一。長野さんや坂本勇人さん、日本一を経験している先輩は『(銀座)パレードはすごくいいものだ』と。すごく経験してみたい。

複数年(契約)させてもらいましたけど一年一年、必死に頑張りたい」。今年の成績を超えた先に、初タイトルが見えてくる。(堀内 啓太)

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