WEST報知では「Ho!ットルーキーズ」と題し、各競技の新人を随時紹介している。第2回は、15日に新入団発表会見を行った広島のドラフト2位・斉藤汰直(たいち)投手(22)=亜大=にスポットを当てた。

大学の先輩であり、昨季まで在籍したオリックス・九里亜蓮投手(34)から背番号11を継承。兵庫・宝塚市出身の最速152キロ右腕は県立高の武庫荘総合からプロへと駆け上がり、同じ先発右腕としてたくましく投げまくるつもりだ。

 初めてカープのユニホームに袖を通した斉藤汰は、期待と責任をたっぷりと感じ取った。「やっぱり、かっこいい。それに見合う投球を…」。オリックスに移籍した九里が昨年まで着けた背番号11。亜大からドラフト2位で広島に入団した経緯も含め「重なると思います」と大先輩を意識した。

 面識はないものの、すでに九里の動画を研究。投げっぷりを胸に刻んだ。持ち味も同じ。「試合をつくれるところ。体力も技術もないと、9回は投げきれない」。

タフネスが代名詞の先輩に負けじと、東都リーグでは、第1戦と第3戦に中1日で完投する力を備えている。「僕も気迫あふれる投球には自信がある。1球、1試合に人生を懸けて」と全てを受け継ぐ覚悟だ。

 これまでの野球人生を「自信を持って、なくなって。その繰り返し」と振り返る。兵庫・宝塚中では軟式の阪神選抜に選ばれる実力だったが、強豪校ではなく、県立の武庫荘総合に進学した。「選抜チームでも控え。自信がなかったのが一番」と正直に回想。プロ注目の最速146キロ右腕に飛躍したが、その自信も亜大で打ち砕かれた。1年春からベンチ入りしながら、初勝利は2年秋。「考えなくても、勝手に上がっていった」という高校時代の“成長期”は止まっていた。

 3年時は直球が140キロ台前半まで低下。

それでも「そこをきっかけに今がある。取り組みを白紙にして一から変えた」と乗り越えた。魅力的な技術ばかりに目が向いていたが、トレーニングの基礎から見直し。専門知識を持つ先輩に相談し、動作解析も取り入れた。自信の持てなかった少年は「今は自信あります。大学で培った精神力は大きい」と、胸を張ってプロ野球人生をスタート。目標は1年目からの2ケタ勝利だ。(安藤 理)

 ◆斉藤 汰直(さいとう・たいち)2003年12月7日、兵庫・宝塚市生まれ、22歳。小浜小1年時に軟式野球教室に通い始め、4年で「心美東シャークス」に入団。宝塚中では軟式野球部でプレー。武庫荘総合では2年秋からエース。亜大では1年春からベンチ入りし、東都大学リーグ通算46試合で9勝15敗、防御率1・95。

4年時に大学日本代表に選ばれ、日米大学野球選手権でも先発。183センチ、90キロ。右投右打。

 ◆広島時代の九里亜蓮 ドラフト2位で入団し、1年目の14年に開幕2戦目でプロ初先発。12球団のルーキー一番乗りで初勝利を挙げた。入団時は背番号12、21年から11に変更。23年の26先発と投球回(174回1/3)はセ・リーグ最多だった。同年のCSでは第1ステージから最終ステージへ「救援→先発」と中3日で登板。登板間隔が短いことを好み、自他ともに認めるタフネス右腕だった。

 WEST報知では「Ho!ットルーキーズ」と題し、各競技の新人を随時紹介している。第2回は、15日に新入団発表会見を行った広島のドラフト2位・斉藤汰直(たいち)投手(22)=亜大=にスポットを当てた。大学の先輩であり、昨季まで在籍したオリックス・九里亜蓮投手(34)から背番号11を継承。

兵庫・宝塚市出身の最速152キロ右腕は県立高の武庫荘総合からプロへと駆け上がり、先輩のようにたくましく投げまくるつもりだ。

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