今年まで巨人の1軍ヘッドコーチを務めていた二岡智宏氏(49)が、来季から愛知県を拠点とする社会人野球チーム、ジェイプロジェクト野球部の監督に就任することが16日、分かった。プロ野球の第一線で指導に携わってきた二岡氏にとって、社会人野球の現場で指揮を執る新たな挑戦となる。

 ジェイプロジェクト野球部は、2009年に創部し、2012年には東海地区第4代表として都市対抗野球に初出場した。選手たちは午前中は野球、午後にはジェイグループの飲食店などの仕事を両立しながら技術を磨いている。2011年ドラフトでは庄司龍二捕手が、2015年には角屋龍太投手がともにオリックスから指名を受けるなどNPBにも選手を輩出した実績を持つ。限られた環境の中でも夢を諦めない姿勢を貫き、地域とともに歩んできたチームだ。

 2016年から3年間、巨人のコーチとして指導者の道を歩み始め、2019年には独立リーグの富山で監督経験を積んだ。さらに2020年から今季まで巨人3軍監督、2軍監督、1軍ヘッドコーチと若手育成から主力選手へのアドバイスに力を入れ計10年間、指導者としての幅を広げた。当初、2026年は自身の充電期間として野球から離れる予定だったというが、監督就任はチームからの熱心なオファーも決めての一つだったという。

 決して恵まれた練習環境や実績のあるチームではないが、独立リーグで指揮を執った際も「プロを目指す若者に少しでも自分の力が役に立てば」と話していただけに、今回も気持ちは同じだろう。プロ野球、独立リーグで重ねた経験を今度は社会人野球で惜しみなく伝えていく。

 ◆二岡 智宏(におか・ともひろ)

1976年4月29日、広島県生まれ。49歳。広陵、近大を経て98年ドラフト2位で巨人入団。

08年オフに日本ハム移籍、13年限りで引退。15年オフに巨人2軍打撃コーチ、17、18年は1軍打撃コーチ。19年はBC富山監督。20年から巨人3軍総合コーチ、3軍監督を務め、22、23年2軍監督、24年から1軍ヘッド兼打撃チーフコーチ。通算1314安打、打率2割8分2厘、173本塁打、622打点。右投右打。

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