第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)に7年連続9回目の出場となる創価大が17日、東京・八王子キャンパスで壮行会と記者会見を行った。初出走へ闘志を燃やすのは箱根4年連続区間賞の榎木和貴監督(51)の甥でもある、榎木凜太朗(2年)だ。

父・祐介さん(52)の影響でトライアスロンを志したが、創価大が初シードを獲得した20年大会を現地観戦し、箱根路への夢を抱いた。熱い思いを持つ注目株が目標総合3位以内へチームを勢いづける。

 夢舞台がいよいよ迫ってきた。榎木凜は「最後(力を)絞り出すために、状態は理想的に上がってきています」と、箱根初出走へ準備を進めている。中大時代に箱根4年連続区間賞のレジェンド・榎木監督の甥っ子で、今回が初のメンバー入り(16人)。最長区間の9区(23・1キロ)を希望し「チームの復路の要として区間賞争いをして、総合3位以上に貢献したい」とメラメラ燃えている。

 強みは「強靱(きょうじん)な肩」を軸とした力強い走りと抜群のスタミナ。小学1年から中学2年まで父・祐介さんの影響でやっていたトライアスロンで培った。U15(15歳以下)日本選手権で5位入賞経験もある実力者。当然、進学する宮崎・小林高では「(陸上部で)走りを極めてトライアスロンに生かそうと思っていた」と描いていたが、中学2年の2020年1月、人生が変わった。

 19年2月に創価大の監督に就任した叔父の榎木監督が、20年大会で箱根路に挑んだ。これまでテレビで見るだけだった凜太朗も、応援のために現地へ。

創価大は11位でタスキを受けた最終10区の嶋津雄大(現GMOインターネットグループ)が区間新の走りで2人抜きし、総合9位で同校初のシード権を獲得。ランナーたちの激走、喜びを分かち合う姿を間近で見て「箱根を走りたい」と心が動いた。箱根へと夢をシフトチェンジし、足を磨き続けた。

 育成力などを重視し、創価大を選んだ。親戚だからこそ榎木監督は「他の人より厳しくされるのは覚悟して来なさい」と言われ、榎木凜も「周りから言われないような力をつけて、出走したい」と努力した。今季は11月の全日本大学駅伝で学生3大駅伝デビュー。6区10位と振るわなかったが、約2週間後の上尾シティハーフマラソンで1時間2分37秒の自己ベストをマークし「一歩、進めた」と状態は上向きだ。「走り、気持ちの面でも強くなった姿を見せたい」と憧れのユニホームを身にまとい、新春の箱根路を爆走する。(手島 莉子)

 ◆榎木 凜太朗(えのき・りんたろう)2006年1月13日、宮崎・都城市生まれ。19歳。小学1年から父の影響でトライアスロンを始め、U15日本選手権は中3で5位入賞。宮崎・小林高から本格的に競技を始め、3年時の全国高校駅伝は5区2位。

創価大に進み、今年の全日本大学駅伝は6区10位。168センチ、56キロ。

 〇…主力の野沢悠真(4年)は3年ぶりの5区出陣を熱望した。1年時に山を上り、区間13位だった。2、3年時はいずれも4区を担い、それぞれ区間15、6位。「入学した時から5区を走りたいと思っていました。1年生の時に走りましたが、順位を下げてしまった(7位から10位後退)。3年ぶりにリベンジしたい。目標は1時間10分台で、区間3位以内です」と山に対する思いを熱く語った。

 ◆創価大 1972年に創部。89年から長距離部門を強化。箱根駅伝は2015年に初出場して20位。

3度目の出場となった20年に9位で初のシード権を獲得すると、21年は往路を制して10区までトップを走るなど過去最高の総合2位。出雲駅伝は25年の3位が最高。全日本大学駅伝は24年の4位が最高。長距離部員は40人、学生スタッフは11人。練習拠点は八王子市。主なOBは嶋津雄大(GMOインターネットグループ)、24年パリ五輪1万メートル代表の葛西潤(旭化成)ら。

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