巨人から戦力外通告を受けていた今村信貴投手(31)が現役を引退することが17日、分かった。今後は球団のアカデミーコーチに就任。

「人に恵まれた野球人生でした。目立った活躍もせずに14年間やれたというのはみなさんのおかげだし、感謝感謝の野球人生でした」とプロ人生を振り返った。

 太成学院大高から11年ドラフト2位で入団。2年目の13年にドラフト制後、球団左腕最年少の19歳6か月でプロ初勝利を挙げた。18年には自己最多の6勝をマーク。本格的にリリーフに転向した22年は55登板で21ホールドとフル回転したが、今季は1軍登板がなかった。通算成績は180試合登板、25勝22敗、防御率4・00。明るいキャラクターでチームのムードメーカー的存在だった。

 悔しい思いを押し殺し、決意した。今季は2軍で41登板、防御率1・91と好成績を残しながら1軍の舞台に立てず「今年の体の調子が一番いいし、まだまだやれる。戦力外と言われた時にまだやりたい気持ちが一番最初に出てきた」と現役続行を模索。しかし、NPB球団からのオファーはなく「家族と一緒に悩みながら、どれが最善か考えてきた。

もちろん悔しい思いもあるけど、たくさん話し合ったのでスッキリしています」と決断した。

 今後はアカデミーコーチとして大好きな野球に関わりながら、お世話になった人々へ感謝の思いを伝えていく。「今までいろいろ指導してくださったものを、しっかりとまた伝えられるようにやりたいですし、野球に恩返しをしたい」と新たな人生をスタートさせる。

 ◆今村 信貴(いまむら・のぶたか)1994年3月15日、大阪・四條畷市生まれ。31歳。太成学院大高から11年ドラフト2位で巨人入団。2年目の13年にドラフト制後、球団左腕最年少の19歳6か月でプロ初勝利を挙げた。18年に自己最多の6勝。あだ名は「ノブ」。180センチ、90キロ。左投左打。

編集部おすすめ