今季まで巨人の2軍監督を務めた桑田真澄氏(57)が18日、東京ドームホテルで24年から2軍公式戦に参加しているオイシックスの「チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)」就任会見に出席した。

 21年に15年ぶりに復帰した復帰した巨人では、1軍投手チーフコーチ、ファーム総監督、2軍監督などを歴任し、「本当にさまざまな学びがありました」と感謝。

来年1月からの就任に向けて、「その全てをオイシックスに注入していきたいと思います」と決意を語った。

 会見の内容は以下の通り。

 ―オファーを受けるに当たってオイシックスの高島会長らから熱い思いを聞いたとあったが、特にどの部分に。

 「もう全てですね。しっかりとビジョンを持たれているというところが、特に僕は心ひかれたと言いますか。ビジョン達成のために力になりたいなと思いました」

 ―これまで指導面では選手に寄り添うことを大事にされていたと思うが、今後はCBOとしてどういった形でチームに寄り添っていきたいか。

 「当然現場にもいきますので、武田監督はじめコーチの皆さんにも寄り添いながら、そして選手にも寄り添ってですね、技術力向上に向けて、そしてチーム力強化に向けて対話を大事にしながらやっていきたいという寄り添い方ですね。あとはフロントも収益を拡大していかないといけないと思いますし、ブランド力の構築と認知度の向上。これも球団として上を目指さないといけないことだと思いますので、フロントの方ともしっかり面談をしながら、また時には(球団の)池田社長、高島会長とも話し合いをして、前に進んでいきたいと思っています」

 ―将来的にオイシックスが、日本球界に与える価値とはどういう部分になるか。

 「先ほどから文化作りと言っていましたが、やはり何年も歴史のある球団ですと、『こういう感じで』というのがあるんですね。そうではなくて新規参入した球団ですから、これから球団経営とか、育成システム、方針、チーム強化策とか、新たな試みができると思いますし、今の時代に合った文化作り、チーム作りをして、中長期的に強いチームに成長できるようにしていきたいと思っています。また、オイシックスが強くなっていく過程を見ながら、また新しいチームが参入してきたりして、野球界の発展につながっていけたらいいなと思っています」

 ―新潟では桑田CBOが来ることを楽しみにしている県民も多い。

どういった姿勢や指導スタイルを見せていきたいか。

 「指導のスタイルも僕は現役時代から変わらず一環していますので、先ほどお話させていただいた『サイエンス、バランス、リスペクト』というね。『こうやれ』という指導はしませんし、バランス感覚は持ちながらですね。『練習したらうまくなる』という野球界のお守りなのか知らないですけど、あるんですよね。でもサイエンスからすると、練習、練習、練習はうまくならないんですよね。やっぱり練習して栄養を取って、睡眠、休養ですよね。寝ているときに筋肉が再生し、強くなり、そして練習した技術は脳や神経が覚えていくというのが分かっている時代なので。翌日も元気で集中していい練習をしてもらいたいんですよね。そういう意味でサイエンス、バランス、リスペクトという言葉を3つ掲げているんですけど。現場ではそうやって指導していきたいなと思っています」

 ―球団として、個人としての究極の目標はあるか。またユニホームを着る可能性は。

 「ユニホームはまだ着る予定はないんですね。

オイシックスはまず、いまは育成が大事だと思っています。でも将来的には勝利と育成を両立していくということが目標ですね。あと自分の最終目標は大学の修士論文にも書きました、日本野球のさらなる発展ですね。ここが最大の目標です」

 ―拠点は新潟に移すことになるのか。また巨人での経験の中から、どのような部分がオイシックスに還元できると考えているか。

 「本当はフルに帯同するべきだと思うんですけど、来年の仕事が少しもう入っていましたので、仕事をしながら現場に行き、球団の人とミーティングをしたりという形になると思います。自分の中ではできるだけ月に半分以上は関わっていきたいなと思っています。ですから拠点は東京になると思うんですけど、その都度足を運んでいきたいと思っています。ジャイアンツでは2軍監督として2年間させてもらったんですけど、トータル5年間、1軍の投手コーチ含め、ファーム総監督を経験させていただいて、本当にさまざまな学びがありました。その全てをオイシックスに注入していきたいと思います」

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