日本サッカー協会の佐々木則夫女子委員長(67)は18日、都内で取材に応じ、2025年のなでしこジャパンを総括した。今年は、なでしこ初の外国出身監督となるニルス・ニールセン監督(54)を迎えると、公式戦14試合で6勝4分4敗を記録。

初陣のシービリース杯では米国を13年ぶりに破り、初優勝を飾った一方で、その後の親善試合は6戦勝ちなしと苦戦する時期も続いた。佐々木委員長は「結果が出なくて今ひとつだった時期も新たな選手を呼んで、個々の選手の確認はできていた。そんなにナーバスになることなく(新たな戦力を)取り込めていた」と前向きに捉えた。

 今年の総括の中で、指揮官と選手の間のコミュニケーションの部分にも言及した。ニールセン監督が今月4日に「コミュニケーション、通訳を介した会話に問題があった」と話していたように、佐々木委員長も「スタッフのリレーションがうまく行っていなかった。伝えるのに時間がかかって、伝えきった時にはニュアンスが消えていることがあった」と指摘した。

 より素早い意思疎通を図るため、ミーティングの方法を既に修正しており、事前にコーチと分析の担当者に戦術などの方針を伝え、指揮官では無くコーチが日本語で説明するようにしている。年内最後のカナダ戦では2連勝を収め、「彼(ニールセン監督)もその方がいいと(言っていた)。監督と相談して移行していった」と話した。

 来年3月には27年ブラジルW杯の予選を兼ねるアジア杯が開幕する。W杯への出場権は、大会の上位4チーム、準々決勝で敗れたチームによるプレーオフに勝利した2チームの、合計6か国が手にする。佐々木委員長は「アジアであっても、優勝をトライしてもらうことに尽きる」と目標を示した。

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