来年3月に開催されるWBC米国代表に2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたT・スクバル投手(29)=タイガース=ら4選手が参戦することが18日(日本時間19日)、発表された。先発陣はナ・リーグ同賞のスキーンズ(パイレーツ)と最強2本柱を形成。

ドジャース大谷翔平投手(31)を擁して連覇を狙う日本の前に立ちはだかるかもしれない。米国主将のジャッジ(ヤンキース)を含め、前年のMVP、サイ・ヤング賞が初めて大会に勢ぞろいする。

 米国の超豪華投手陣が、再び世界一の座を狙う日本の壁になる。この日、スクバルはXに星条旗の絵文字を投稿。その後、現役最強左腕の初参加が正式発表された。

 今季は31試合で13勝6敗、防御率2・21。195回1/3を投げて241三振を奪い、2年連続でサイ・ヤング賞を受賞した。平均157キロ前後の直球、ツーシームにチェンジアップが決め球。大谷は今季の球宴で中前打を放ったが、前日には「できれば対戦はしたくない」と話していた。レギュラーシーズンでは通算9打数1安打1三振と苦戦している難敵。マリナーズとの地区シリーズで7者連続三振のポストシーズン新記録を樹立し、短期決戦にも強い。

 WBCはシーズン前に開催されることもあり、故障のリスクなどから特に投手の派遣に各球団が難色を示してきた。

しかし、23年大会決勝で敗れた日本への雪辱を期す今回はもう一人のサイ・ヤング賞投手、スキーンズも初参戦を表明済み。今季ナ・リーグ最多奪三振で5年連続2ケタ勝利のウェブ(ジャイアンツ)の代表入りもこの日発表され、今季13勝のライアン(ツインズ)と合わせて史上最強の先発ローテ4枚が固まった。スキーンズは「最高中の最高が集まる。これ以上の米国代表はない」とプライドをにじませた。

 チームUSAは来年2月の第1週までに30人の最終ロースターを決める方針だが、リリーフ投手も最速168キロ右腕ミラー(パドレス)、通算111セーブを誇るベッドナー(ヤンキース)が新たに加わった。これだけでも17年大会以来の優勝を狙う本気度がうかがえるが、デローサ監督は今月9日(同10日)に「大谷が手こずるような変則左腕を何枚か用意できたら」と日本対策を明かしていた。今後は野手では唯一空席の一塁手を含め、さらなる“補強”が行われそうだ。

 日本の大谷、米国主将のジャッジと今季のMVP2人も出場する26年大会。6度目の開催にして、初めてサイ・ヤング賞と前年の受賞者全員が顔をそろえることになった。日本が米国と激突する可能性があるのは決勝戦。連覇するには巨大戦力を打ち破るしかない。

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