◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)挑戦者決定戦 井岡一翔―マイケル・オールドスゴイティ ▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)級挑戦者決定戦 吉良大弥―イバン・ガルシア・バルデラス(31日、大田区総合体育館)

 大みそか(31日)に7か月ぶりの再起戦を行う元世界4階級制覇王者でWBA世界バンタム級9位の井岡一翔(36)=志成=が20日、都内の所属ジムで練習を公開した。軽くシャドーボクシングなどを披露した井岡は「バンタム級での初戦で新たな挑戦。

練習していてまだまだ自分には伸びしろがあることを実感している」と新たな発見もあり自信を深めたようだ。

 今年5月に当時のWBA世界スーパーフライ級王者・フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)との再戦に敗れて以来の試合。バンタム級に階級を上げ、日本人初の5階級制覇を目指すこともすでに明言。再起戦がWBA世界バンタム級王座への挑戦者決定戦という恵まれた環境での試合となった。17日にはWBA正規王者の堤聖也(角海老宝石)が暫定王者のノニト・ドネア(フィリピン)を2―1の判定で下し、王座を統一した。試合後、堤からは対戦を熱望された井岡は「(堤選手の)忍耐力、耐久力を感じた試合。あの展開からよく挽回したし、彼の強さを感じた」と堤のメンタル面の強さを強調。続けて「この試合はWBAの挑戦者決定戦。この試合に勝てばおのずとそうなる。勝って次につなげたい」と堤戦を実現させての5階級制覇へ強い決意を示した。

 敗れはしたが、43歳の元5階級制覇王者のドネアからは希望と勇気をもらった。「後半はやはり疲れが見えたが、前半のキレ味と間合いを見たら全盛期と変わらない。

36歳の自分もまだまだ頑張れる気持ちになった」という。

 バンタム級にウェートを上げたことで、これまでボクシング「7」、フィジカル「3」だった練習比率を「5」―「5」にすることで筋力アップに励んだ。「強くした筋力をどうやってパンチ力につなげるか」を課題に取り組み、手応えは十分だという。対戦相手のWBA世界バンタム級11位マイケル・オールドスゴイティ(ベネスエラ)の対策はこれからの状態だが「イメージとしてスタンダートなファイター型の選手」と分析する。来年4月でプロ18年目を迎える大ベテラン。5階級制覇の偉業達成だけをにらみ、大みそかのリングに立つ。

 戦績は井岡が31勝(16KO)4敗1分け、オールドスゴイティは15勝(14KO)1敗。

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