ロック歌手の矢沢永吉が20日、横浜市のぴあアリーナMMでソロデビュー50周年を記念した全国ツアー「Do It YAZAWA 2025」のファイナル公演を迎えた。会場には満員となる約1万人のファンが集結。

約2時間かけて代表曲「止まらないHa~Ha」など全20曲を歌唱し、節目のツアーを華々しく締めくくった。

 永ちゃんらしく熱く、ロックに半世紀の集大成を飾った。「ファイナルへ、ようこそいらっしゃい」。渋みのある声であいさつすると、これまでの軌跡をたどるように1970年代の「恋の列車はリバプール発」から、今年リリースした「真実」までをパフォーマンス。「50年…。正直言いまして、こんなに長く歌えるとは思ってなかった。あれよあれよと76歳。本当にありがとうございます」。クールに振る舞いながらも、客席から受ける拍手に目を細めた。

 会場のある横浜は、矢沢が高校卒業後に出身地・広島からスーパースターになることを夢見て降り立った地。自身の原点とも言える場所で迎えたフィナーレに「横浜最高だぜ!」と声を張り上げ、喜びを爆発させた。

 11月にスタートした今ツアーは、全15公演で計30万人を動員。

東京ドーム公演の日本人最年長記録や、日本武道館の通算公演最多数記録(160回)など次々と金字塔を打ち立て、存在感を改めて示した。

 だが、ここで終わるつもりはない。「ただ一つ、はっきり言えることはまだまだライブをやりたい。やり続けたい。それ(ライブ)に今、一番幸せを感じています」。70代後半に突入しても変わらないのは、心に宿るロックの魂。「俺、まだずっと歌ってるからよろしく」。50年にわたって日本中を明るく照らしてきたその歌声を、この先もずっと響かせ続ける。(松下 大樹)

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