◇全国高校駅伝・男子第76回(21日、たけびしスタジアム京都発着、7区間42・195キロ)

 福島・学法石川が2時間0分36秒の日本高校最高記録で福島県勢として初優勝した。2023年に長野・佐久長聖がマークした従来の記録(2時間1分0秒)を24秒更新した。

2位の宮城・仙台育英も2時間0分59秒で、従来の日本高校最高記録を超える好タイムだった。3位に岡山・倉敷が続いた。

 前回2位の福岡・大牟田から選手が集団転校した鳥取城北が4位に入った。

 今大会の注目校のひとつは、鳥取城北だった。前回、準優勝しながら指導者の交代を決めた学校側に反対して18人が今春、大牟田から集団転校した。前回1区2位のエース本田桜二郎(3年)、同7区3位の準エース村上遵世(3年)らは、全国高校体育連盟の規定で、6か月(水泳は1年)は同連盟の主催大会に出場できず、夏の全国高校総体、また、その予選に当たる県大会や中国大会は不参加だったが、出場可能となった11月の鳥取県高校駅伝で優勝し、今大会の出場権を獲得した。

 大牟田から転校してきた選手と、元々、鳥取城北に在籍していた選手は互いに刺激し合って共に成長。この日はエース区間の1区では本田が区間3位と健闘。前回より区間順位は1つ下がったが、タイムは前回の29分12秒から20秒短縮し、28分52秒と力走した。外国人留学生が出場できるスピード区間の2区は元々、鳥取城北に在籍していた山根爽楽(3年)が2つ順位を下げたが、8分22秒の区間19位(日本人13位)と粘りの走りを見せた。準エース区間の3区は村上が区間2位と好走し、再度、3位に浮上。6区で倉敷に抜かれたが、4位をキープしてゴールした。

鳥取県勢の最高成績2位(1992年の由良育英、現鳥取中央育英)の更新はならなかったが、チームの過去最高成績30位(2023年)は大きく超えた。

 今年の夏前。ライバルたちが全国高校総体に向かっている中、記録会で奮闘していた本田は「仲間がいるから頑張れます」と言葉に力を込めて話していた。

 本田は来春、箱根駅伝などを目指して早大に進学予定。村上、主将の宗像琢馬らも関東の大学に進学し、次のステージに進む。2年生以下は鳥取県初の全国制覇を目指して、明日から再び、鳥取で走り始める。

 ◇大牟田から鳥取城北へ集団転校の経緯 関係者の話を総合すると、昨年11月の福岡県高校駅伝に優勝し、2年連続45回目の全国高校駅伝出場を決めた後、学校側は25年度から磯松大輔監督を招へいし、実質的な監督だった赤池健ヘッドコーチ(HC)をサポート役に降格する方針を決定。選手と保護者は反対し、撤回を求めたが、覆ることはなかった。その後、赤池氏は大牟田のHCを辞任し、鳥取城北の監督に転職することを決めた。各選手が保護者と話し合った結果、当時1、2年生(現2、3年生)19人のうち18人が赤池氏の指導を受けることを希望し、鳥取城北へ転校した。赤池氏の指導を希望して牟田への入学を予定していた新入生の大半も鳥取城北へ進路を変更した。磯松監督率いる大牟田は今年の福岡県高校駅伝で11位だった。

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