元千葉県知事で俳優の森田健作氏(76)が司会を務めるニッポン放送「青春の勲章はくじけない心 年末増大号」(30日午後3時)と、NACK5「青春もぎたて朝一番!」(日曜・前6時30分)のゲストに菅義偉元首相(77)が出演する。このほど都内で収録が行われ、菅氏は自身の原点である秋田県での生活、首相在任中に推進した「不妊治療の保険適用」や看板政策となった「ふるさと納税」創設時の官僚との攻防などについて語った。

 首相在任時に実現させた政策の中で最も感謝の声が多かったのが「不妊治療の保険適用」だった。当時、全国から多くの「お礼の手紙」が届き、その多くは手書きだった。この反響について森田氏から水を向けられると、菅氏は自虐混じりにこう振り返った。

 「携帯電話(料金)の引き下げを一丁目一番地としてやらせていただいたんですが、その時は一切なかったんですよ(笑)」。次の目標は出産費用の完全無償化だ。「いくらかかっても無償化にするということです。同じ地域であれば、無償化にするというのは当然のことです」と述べた。

 菅氏の代名詞とも言える「ふるさと納税」。その原点は、秋田県湯沢市での生い立ちにある。地方から首都圏などの都市部へと働き出ることで、生まれ育った税収が減っていく。そうした不均衡を解決したいというのがかねてからの考えだった。「いざ(地方で)育って働いて納税するようになると、全部(都市部への)納税になっちゃいますから」。

 しかし、総務相時代(2006~07年)、この案を実行に移そうとした際、省内の反応は冷ややかだった。「役所の人間には、発表するまで黙っててくれと言いました。みんな反対すると思いましたから」。案の定、発表後は省内から「とんでもない」、「無理です」と猛反発を受けたが、菅氏は引かなかった。

 「『無理だったら(自分の部署へ)帰ればいいじゃないか』と言って」。反対する官僚を押し切り、断行した制度は当初の80億円規模から今や約1・3兆円を超える巨大市場へと成長した。「地域の皆さんが、アイデアを出して頑張っている」と手応えを語った。

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