◆第42回ホープフルS・G1(12月27日、中山競馬場・芝2000メートル)

 【アイビーS=レース評価・A】昨年の勝ち時計は1分45秒8と今年より1秒0速い。昨年勝ったマスカレードボールの1200メートル通過は72秒4で上がりが33秒4。

今年の勝ち馬アンドゥーリルは73秒2で上がりが33秒6でペースの差を考慮すれば大きな差はない。

 レースはマイネルシンベリンが後続を離しての逃げ。ラスト600メートルの地点で0秒9差離れた番手で運んでいたアンドゥーリルがスローペースで逃げているのと同様に流れを生かして勝ち切ったように映るが、前をかわしたのがラスト300メートルあたり。レースラップは11秒5、11秒2で、アンドゥーリル自身は推定11秒2、11秒2あたりをノーステッキで動いている。それもラストはやや流し気味のフィニッシュで2着馬にゴール前では少し詰め寄られての1馬身差V。危なげないし、本気を出せば33秒台前半は出せた可能性を秘める。初勝利もラスト2ハロン11秒5、11秒5のレースを中団から外へ出して差し切ったが、ここもノーステッキで“安全運転”したうえで5馬身差。能力は相当とみていい。

 過去10年でこのレースの勝ち馬で2歳G1に駒を進めた馬は《1》〈2〉〈3〉〈2〉《1》〈11〉着。昨年のマスカレードボールが気性面の課題と馬場が合わなかったうえに勝負どころの不利と参考外のレースで大敗した以外は成績は安定。着差以上のV内容で文句なしのG評価をつける。

 【札幌2歳S=レース評価・A】最速の1ハロンのラップはラスト600メートルからの11秒6。

逃げたジーネキングが3角あたりからペースアップしてリードを広げて押し切りを狙った。ショウナンガルフは差し馬勢のなかでも遅い仕掛けになって、4角手前から動き出したが、粘るジーネをねじ伏せるようにとらえた。

 自身の上がり35秒0は過去10年のこのレース(良7度、稍重2度、重1度)では最速。勝ち馬10頭のうち8頭は4角4番手以内だが、9番手からの差し込みにはかなりの価値がある。ホープフルSのG1昇格後、このレースの勝ち馬は〈3〉〈9〉〈16〉着だが、絶対能力はショウナンがそれらとの比較では上。2戦ともに滞在競馬だっただけに、長距離輸送後の1泊競馬をクリアできれば勝機十分

だ。

 【京都2歳S=レース評価・A】前後半は60秒0―60秒4。平均ペースに映るが、3ハロン目から12秒1~12秒5が5ハロン続き、ラスト3ハロンは11秒台後半。先行勢が残れる流れだったが、ポイントは最後方からじんわり前に動いて3着となったゴーイントゥスカイ。速くなりつつある区間で一気に攻めて、直線に向いて一度は先頭へ。前を掃除した形になり、結果的に上位2頭を引き出した。

 勝ったジャスティンビスタは4角手前でアスクエジンバラ(2着)に先に動かれて1列下げて、4角で外へ。

一瞬もたついたが、進路を取れてからはゴーイントゥスカイの外をラスト1ハロンから一気に弾けて突き抜けた。ペース対応と勝負どころでのせめぎ合いを経験できたことは本番につながる。(中野 達哉)

 【該当レースから出走予定の各馬評価】

 アンドゥーリル   G

 ショウナンガルフ  A

 ジーネキング    A

 アーレムアレス   A

 ジャスティンビスタ A

 アスクエジンバラ  A

 ウイナーズナイン  B

※評価は上位順にレースはA~C、馬別はG~Cとなります。

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