◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
先日、ヤクルト・石川雅規投手を取材した。45歳で球界最年長。
印象的だったのは、ここまでの24年間を「一瞬だった」と言い切ったこと。通算188勝193敗。勝ちよりも負けが多い。身長167センチ。多くの苦しみを味わい、我々の想像を上回る努力を重ねてきたことは間違いない。「楽しい時間は一瞬で過ぎる」。来年1月に46歳となるが、左腕の炎はまだ消えていない。
通算200勝の節目まであと12勝。そんな数字もひとつの原動力になっているようだが、最大の支えは「シンプルにもっと野球がうまくなりたい」。昨季から1勝、2勝と2年間で3勝。決して満足する成績ではないはずだが、いまだに向上心を持ち続けている。
思い出される言葉がある。ドジャース・大谷は昨オフ、誰にもマネできない結果を残し続けている中でモチベーションを維持し続ける秘けつを問われると「あまり考えたことがない」と答えた。誰よりも真摯(し)に野球と向き合ってきたことは改めて記すまでもないが「どれだけ多く技術、フィジカルを自分の中で高めていけるかが趣味みたいな部分」と明かした。
石川と大谷。2人に共通するのは、努力を苦だとは思わず、前向きに捉えていることだ。まだ考えるのは早いかもしれないが、石川と重ね合わせて大谷の野球人生はまだまだ長いのかなと考えてしまった。40代の大谷、想像できますか?(メジャー担当・安藤 宏太)
◆安藤 宏太(あんどう・こうた)13年入社。19年からMLB担当。35歳で体力の衰えを実感。










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