箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は25日、5年に1回だった記念大会を28年1月開催の第104回大会から4年に1回として、出場枠で3チーム増の計26チームとするなどの大改革を行うと発表した。29年1月開催の第105回大会以降、通常大会も3増の24チームが出場することになった。

初出場を目指す芝浦工大や箱根路から遠ざかっている伝統校にとって朗報となった。

 正月の風物詩、箱根駅伝がさらに大きくなる。この日、関東学連の植田恭史会長(70)、箱根駅伝対策委員会の原晋委員長(58)=青学大監督=らが東京都の小池百合子知事(73)、神奈川県の黒岩祐治知事(71)を訪問し、改革案を報告。その後、関東学連の最終審議を経て発表された。

 改革は大きく分けて二つ。

 〈1〉記念大会は5年に一度から4年に一度。予選会には全国の大学が参加可能。

 〈2〉記念大会、通常大会ともに出場枠は3増。

 28年1月開催の第104回が新しい記念大会となり、それ以降、開催回数・西暦が4の倍数の年(夏季五輪開催年)に記念大会が実施される。出場枠は25校と日本学生選抜の計26チーム。従来の記念大会の23チームを超えて史上最多となる。前年秋の予選会には第100回大会と同様に全国の大学が参加可能。

突破すれば、もちろん、本戦も出場可能。予選会敗退校の選手で編成されるチームは通常大会の「関東学生連合」に代わって「日本学生選抜」がオープン参加する。

 植田会長は「記念大会は大学の修学年数に合わせて4年に一度。在学中、かならず一度は記念大会が巡ってきます。また、ちょうど、(4年に一度の)夏季五輪の開催年が記念大会。『箱根駅伝から世界へ』という大会理念と合致します」と説明した。

 29年1月開催の第105回以降、通常大会も3増。23校と関東学生連合の24チームが出場する。

 シード権は、記念大会も通常大会も現行通りの10校となる案で固まっている。そのため、予選会は記念大会は上位15校、通常大会は上位13校が本戦の出場権を獲得することになる。

 27年1月開催の第103回大会は、これまで通り、20校と関東学生連合の計21チームが出場する。

 青学大の監督としてチーム強化を図る一方で、関東学連の箱根駅伝対策委員長として日本長距離界全体の発展のために奮闘する原委員長は「箱根駅伝はさらに面白くなります。

野球やサッカーに負けないように長距離走を志す子供たちを増やしたい」と熱く語った。(竹内 達朗)

 〇…今年10月の予選会では、出場回数歴代4位(85回)の法大が11位、同10位(65回)の明大が12位、同7位(72回)の専大が13位と常連校がそろって惜敗した。2年後から出場校が増枠されることによって、ユニホームがアルファベット1文字の伝統校が箱根路に帰ってくる可能性が高まった。芝浦工大のほか日本薬科大、麗沢大などの中から初出場校も誕生しそうだ。

 ◆箱根駅伝の出場校増枠

 ▽1920年 第1回大会は東京高師(現筑波大)、明大、早大、慶大の4校。

 ▽1922年の第3回大会で初めて2ケタの10校が出場。

 ▽1954年の第30回大会から15校が参加。

 ▽1956年の第32回大会から予選会を行っての出場15校制を導入。

 ▽1964年の第40回大会から第70回大会まで、10回ごとの「記念大会」だけ出場校を増枠。64年はオープン参加の立命大、福岡大を含めた17校が参加。

 ▽74年の第50回大会は20校が出場。シード校以外に過去の優勝5校(筑波大、明大、早大、慶大、専大)が招待された。

84年の第60、94年の70回も20校が参加。

 ▽2003年の第79回大会から5枠増やし、19校+関東学連選抜チームが参加に。

 ▽2009年の第85回大会は記念大会となり23チーム出場。90、95、100回も記念大会で23チーム参加。

 ▽2015年の第91回大会から20校+関東学生連合(オープン参加)の21チーム出場に増枠。

 ▽2024年の第100回大会は出場23チーム。シード校10校に加え、全国の大学が参加可能となった予選会から13校が通過。

 ▽2025年の第101回大会は出場20校+関東学生連合チームで開催。

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