スピードスケートの全日本選手権兼ミラノ・コルティナ五輪代表選考が26日から3日間、長野市エムウェーブで行われる。開幕を直前に控えた25日、本番会場で各選手が最終調整。

男子500メートルの新星、広瀬勇太(21)=高崎健康福祉大=は初の五輪代表入りを目標に掲げた。同種目の五輪出場枠は「3」。実力者たちとの激しい争いに挑む。

 伸び盛りの広瀬が初の大舞台へ突き進む。今季W杯に初参戦。男子500メートルで全4戦、7レースに出場し、ノルウェー・ハーマルで行われた最終戦では34秒44で3位に入った。好調を維持して臨む今大会。「優勝とオリンピックの権利を得たい」と力強く目標を掲げた。

 持ち味は最初の100メートル。一気にトップスピードに乗り、ゴールまでキープする。今月上旬のオランダ・ヘーレンフェインでのW杯第3戦からは、同行していた五輪メダリストの長島圭一郎コーチ(43)からの助言でブレード(刃)の角度を変更。「右足を内側、左足を外側にした。

思い切って位置をずらして、角度がついても倒れない。シーズン中にやるのはリスクがあったが、うまくいった」と大胆な策にもすぐに順応。好成績につながった。

 同種目でのミラノ五輪への切符は3枚。ライバルとなるのは2022年北京五輪銅メダルの森重航(25)=オカモトグループ=、日本記録保持者の新濱立也(29)=高崎健康福祉大職=らで、強豪が集まる。新濱とは普段からともに練習を行う間柄。「倒すべき存在。新濱さんより速く滑らないと、オリンピックには出られない」と尊敬する先輩相手にも強気で挑む。勢いに乗る21歳が、初の大舞台を見据えた。

(富張 萌黄)

 ◆スピードスケート五輪への道 日本の出場枠は男女とも7。W杯4戦の結果から各種目の対象レース数を抽出し、平均値または中央値が3位以内だった選手は、全日本選手権参加を条件に代表選出。残りの枠はW杯での実績を基に各種目に割り振られ、全日本の成績上位者が代表入りする。

女子の高木美帆と吉田雪乃が代表入りを確実にしている。

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