最速154キロを誇る来秋ドラフト1位候補右腕、横浜・織田翔希(2年)へ、メジャー6球団が関心を寄せ、横浜市内の同校へ視察に訪れていることが27日、分かった。潜在能力にあふれた右腕を巡り、MLB球団も含めた日米争奪戦に発展する可能性が出てきた。

 プロアマでボーダーレスが進む日米の野球界。メジャーの動きは早かった。すでに6球団が織田を視察し、調査を進めていることが判明した。今年1月には、桐朋(東京)の森井翔太郎内野手が米9球団のオファーから絞り込み、アスレチックスと契約金150万ドル(約2億4000万円)でマイナー契約を結んでいる。高校球界屈指の剛腕・織田に海の向こうから興味を示すのは、必然だった。

 NPBのスカウトからは「1位候補」との声が挙がる。1年秋の明治神宮大会では準々決勝で四国王者の明徳義塾を2安打完封。今春センバツではロッテのドラフト3位、3年生左腕の奥村頼人との二枚看板で19年ぶりの優勝に導いた。夏は同校の下級生で初の1大会2完封。17年ぶりの8強に導くなど実績も十分だ。

 この日、年内の活動を納めた織田は「人生の中で一番濃い1年になりました」と語り、進路について「プロ野球に入りたいですが、結果を残して勝ってこそ。この冬で決まると思っています」と、さらなるレベルアップへ力を込めた。

勝負の高校ラストイヤー。その右腕に、日米のスカウト陣から熱視線が注がれる。

 ◆国内高校生による直接の米球界挑戦 過去、NPBドラフトにかからなかった高校生が米球団とマイナー契約した例は多々あるが、今年1月、NPBのドラフト1位候補と見られた桐朋・森井翔太郎がアスレチックスと契約。NPB新人選手の契約金の上限は1億円、出来高払い5000万円だが、森井の契約金はそれを大きく上回る150万ドル(約2億4000万円)と見られ、国内アマ選手のMLB挑戦が加速する可能性も指摘されている。

 ◇織田 翔希(おだ・しょうき)2008年6月3日、北九州市生まれ。17歳。足立小1年で野球を始め、3年から投手。足立中では軟式野球部。高校では1年春の県大会からベンチ入り。同秋の関東大会準々決勝の東農大二戦で、公式戦初完投初完封。明治神宮大会でも準々決勝で明徳義塾を2安打完封。今春センバツでは優勝に貢献。

夏の甲子園では2完封。185センチ、78キロ。右投右打。

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