◆KEIRINグランプリ2025(12月30日、平塚競輪場・11R)
元巨人のエースでNPB通算173勝のレジェンド・桑田真澄さんと、30日に行われる競輪界最大のレース「KEIRINグランプリ2025」(神奈川・平塚競輪場)に出場する郡司浩平とのスペシャル対談が実現した。Y校(横浜商業)野球部出身の郡司は、プロ野球界のスーパースターを目の前に緊張の面持ちだったが、桑田さんの巧みな話術でリラックス。
桑田真澄(以下桑田)「郡司君との対談を楽しみにしていました。競輪はまだテレビでしか見たことがないですが、早大大学院の後輩にアテネ五輪銀メダリストの長塚智広君や安福洋一さんといった競輪選手がいましたから。郡司君はY校野球部出身ですよね」
郡司浩平(以下郡司)「はい、Y校です。桑田さんが初めて甲子園で優勝した時の決勝戦はY校でした。まだ、僕は生まれていませんでしたが(笑)」
桑田「僕が1年生の夏でしたね。高校で野球を辞めて競輪選手を目指したのはどうしてですか?」
郡司「父(盛夫・元競輪選手でS級で活躍)が選手で、小さい頃から父の姿をみていたので自然な流れなのかと思います」
桑田「競輪は一瞬の判断、駆け引きで勝負が決まると聞いています。プロ野球では例えば9回までに10対0だったらほぼ勝負がついているのですが、競輪にも楽勝のレースはあるんですか?」
郡司「最後の最後まで分からないです。レースは3分くらいなのですが、最後の20、30秒が勝負の分かれ目になるので一瞬の判断で勝つか負けるかですね」
桑田「レース前は、どんなことを考えているんですか?」
郡司「そこは逆に桑田さんにお聞きしたいです」
桑田「例えばルーチンで左足からソックスを履きますが、間違って右足から履いてしまったこともあります。その時は、また履き直すのではなく、それをプラスに考えますね。アップの時間もキチッとしすぎるのではなく、柔軟に構えます。試合でも状況に応じて対応できる力が問われるからです」
郡司「確かに桑田さんの言う通り、それに固執しすぎるのは良くないですね」
桑田「マウンドに上がるとどうしても恐怖と不安に襲われるので、『俺はできる。
郡司「トレーニングについてですが、僕は年齢も考えてハードなウェートトレーニングから年齢と体に合わせたトレーニングにシフトチェンジしています」
桑田「それはすごく重要ですね。ただ体を鍛えるだけではなく、パワーやスピードをタイミングよく体に伝えることが重要です。そしてトレーニングの成果を最大化するには栄養と睡眠、休養のバランスも大切です。競輪選手にはオフがないと聞きましたが、その中で自分の時間を作るのは大変でしょうね」
郡司「3週間くらい間隔があくと家族で旅行に行ったりするのが息抜きですかね」
桑田「順調にトップレーサーへの階段を登ってきたと思いますが、これまでのキャリアで挫折はありましたか?」
郡司「デビュー3、4か月して左膝を痛めました。半年くらいレースに出られなくてリハビリも苦しかったです。その間は不安で仕方なかったです」
桑田「僕も1か月勝てないときは不安になりました。5連敗したこともありましたが、そのときはもう『マウンドで投げられること自体が幸せなんだ』と自分に言い聞かせました。野球のポジションで投手は唯一、ゲームを作れる主体的な存在です。だから僕は投げるときはいつも『ゲーマーになろう』と決めていました」
郡司「すごく素敵な考えだと思います。
桑田「プロスポーツという高いレベルの世界でゲームを作れるなんて楽しいじゃないですか」
郡司「僕も35歳になり、将来のことを考えるようになってきました。桑田さんは引退後のこととか現役の時から考えていましたか?」
桑田「40歳までは現役で、その後の10年はいろいろなことに挑戦する学びの期間と捉え、50歳からの10年間は指導者になりたいと考えていました。指導者として大事なのは選手に何かを押しつけるのではなく、常に頭を使って考える大切さを伝えることだと思っています。自分で考えることによって、たとえ失敗しても自分の財産になりますから」
郡司「桑田さんの言葉ひとつひとつが本当に勉強になります」
桑田「郡司君には本を読むことをお勧めします。僕は現役の時、よく移動中に読んでいました。読書をするとアスリートとして考える力がつきますし、インタビューの受け答えも自分の言葉で伝えられますから」
郡司「わかりました。少しずつですが本を読むようにしていきます」
桑田「選ばれし9人のグランプリ、大きなレースでプレッシャーはあると思いますが、勝とうと思うよりもベストを尽くす、チャレンジする気持ちを持って頑張ってください。スポーツは何より楽しむものですから」
郡司「ありがとうございます。ベストを尽くしていい結果が得られるように頑張ります」
◆桑田 真澄(くわた・ますみ) 1968年4月1日、大阪府生まれ。57歳。PL学園では通算5度甲子園に出場し、1年夏と3年夏は優勝。85年ドラフト1位で巨人に入団。
◆郡司 浩平(ぐんじ・こうへい) 1990年9月4日、神奈川県生まれ。35歳。横浜市立商業高卒業後、日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)へ第99期生として入学。2011年1月デビュー。2020年「競輪祭」でG1初V。
◆KEIRINグランプリ 今年の競輪界のNO1を決める一発勝負のレース。G1優勝者と獲得賞金上位の9人のみが出場できる。優勝賞金は1億4600万円(副賞含む)。毎年12月30日に行われ、今年の開催地は平塚競輪場。










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