◇JOCジュニアオリンピックカップ 第39回 全国都道府県対抗 中学バレーボール大会(28日・Asueアリーナ大阪)

 男女の準決勝と決勝が行われ、女子は大阪北が2年ぶり5度目の優勝を飾った。高さを生かした多彩な攻撃で、最多11度の優勝を誇る東京との一進一退の攻防を制した。

男子は、長崎が11年ぶり6度目の大会制覇。安定した試合運びで、初優勝に燃える愛知を破った。男子最優秀選手(JOC)に東京の中村ジョエルが、女子最優秀選手(JVA)に秋田の鎌田一歌(ともに3年)が選出された。

 12人が一つの輪となり、2年ぶりの歓喜に浸った。大阪北は03年以来の東京との決勝リベンジ戦。リベロの小野主将を軸に粘り勝った。「誰でも点が取れるのがうちの強さ」と吉田正人監督(41)。全7試合、1セットも落とさず頂点に立った。

 今夏の全国中学総体で6連覇した金蘭会の選手ら、今年も豪華な顔ぶれとなったが、当初は思うようにいかなかった。転機は11月末の奈良合宿。夜に選手が自発的にミーティングを行った。「ミスしてみんなに迷惑をかけてしまう…」。

「そんなこと思ってない。いつも助けてもらっているよ」。涙を流しながら本音をぶつけ合った。「1人の課題にアドバイスし合ったり、厳しくも言えるようなった」と小野。チーム結成2か月半ながら、今大会は抜群の団結力が光った。

 今秋にはU16日本代表としても戦った小野。「目標は、日の丸を背負ってオリンピックで金メダルを取ること。この日本一をこれからの自分に生かしたい」。自信とともに、決意を新たにした。(瀬川 楓花)

 【長崎男子】土井主将のウィニング・スパイクに会場が沸いた。「最後はエースとして決めて終わりたかった。最高のメンバーと日本一を取れてうれしい」。

熊本との準決勝では3セット目が28―26までもつれるなど、厳しい戦いが続いた中で、「ここは絶対に決めないといけないという意志があり、それが自分を大きくした」と成長を実感。将来については「オリンピックでメダルを取れる選手になりたい」と力強く語った。

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